Minerva社会福祉叢書
福祉多元化における障害当事者組織と「委託関係」―自律性維持のための戦略的組織行動

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ A5判/ページ数 329,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784623053780
  • NDC分類 369.27
  • Cコード C3336

内容説明

福祉多元化において、障害者の当事者組織が事業受託に伴う自律性問題に対し、いかなる組織戦略をもって矛盾回避に取り組んだのか。本書は、日本の障害当事者組織の一つである自立生活センターを視座に、組織間関係論の観点から事例分析を行う。具体的には当事者組織が国の福祉供給システムにビルトインされた過程を検証すると同時に、実施レベルの「委託関係」を通した組織変容、新たに発生した課題やジレンマまでを射程に検討。民間非営利組織としての自律性を前提にした真の公私パートナーシップの可能性を探る。

目次

当事者組織と自律性問題
第1部 自律性問題の提起と理論枠組の構築(事業委託と民間非営利組織の自律性問題―これまでの議論の展開;組織間関係論の二つの視角と「委託関係」―組織間関係論に依拠した理論枠組の構築;制度化パースペクティブからみた福祉供給システムへの「制度的同型化」―制度的環境における「委託関係」)
第2部 自立生活センターによる戦略的組織行動―CIL立川の事例分析(資源依存パースペクティブからみた自律性維持のための戦略的組織行動―調査方法と検討項目の提示;「サービスの独占」の程度と相互依存の進展―事業ドメインの拡大とサービスの開拓性;戦略的サービス生産システムの構築―「当事者主体」の追求と専門化の過程;組織構造とアイデンティティ;「社会的威信」の獲得と運動―外部性の拡大とアドボカシーの諸相;行政組織との「組織間コミュニケーション」―緊張関係と協調関係の両立)
第3部 真の福祉多元化に向けて(CIL立川の組織戦略の特徴と今後の「委託関係」―制度的転換期における組織間関係の不安定性)
民間非営利組織と行政組織のパートナーシップ―追加的視点として