「ひきこもり」への社会学的アプローチ―メディア・当事者・支援活動

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  • サイズ A5判/ページ数 295p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784623052370
  • NDC分類 367.6
  • Cコード C3036

出版社内容情報

さまざまに語られてきた「ひきこもり」を総体的に観察・記述し、この社会現象がいったい何であるかに迫る。

内容説明

「ひきこもり」は終わった問題でもなければ、当事者たちへの支援が行き届いているわけでもない。またなにより安易な一般化を拒む多様な経験が見いだせる領域でもある。本書はこうした「ひきこもり」にかかわる社会的文脈を解きほぐし、当事者の経験を記述し、さらに支援の現状と課題までを説く。“曖昧”な現象としての「ひきこもり」に鋭く迫る包括的研究。

目次

「ひきこもり」の何が問われるべきなのか?
第1部 「問題化」の様相(不登校から「ひきこもり」へ;ゆれ動く「ひきこもり」―「問題化」の過程;「ひきこもり」と統計―問題の定義と数値をめぐる論争)
第2部 「当事者」の位相(「ひきこもり」の当事者は“居場所”で何を得ているのか;「ひきこもり」と対人関係―友人をめぐる困難とその意味;「ひきこもり」と家族の経験―子どもの「受容」と「自立」のはざまで)
第3部 「支援活動」の諸相(訪問・居場所・就労支援―「ひきこもり」経験者への支援方法;「ひきこもり」と精神医療―民間支援活動の示唆するもの;「ひきこもり」と社会的排除―社会サービスの不在がもたらすもの)

著者等紹介

荻野達史[オギノタツシ]
1968年生まれ。1999年東京都立大学大学院社会科学研究科博士課程単位修得退学。現在、静岡大学人文学部准教授

川北稔[カワキタミノル]
1974年生まれ。2004年名古屋大学大学院博士後期課程単位取得退学。現在、愛知教育大学大学院教育実践研究科講師

工藤宏司[クドウコウジ]
1969年生まれ。1997年関西大学大学院社会学研究科博士後期課程単位取得退学。現在、大阪府立大学人間社会学部講師

高山龍太郎[タカヤマリュウタロウ]
1971年生まれ。1999年京都大学大学院文学研究科博士後期課程中退。現在、富山大学経済学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゆう。

33
ひきこもりとはどういう状態なのでしょうか。本著では社会学的視点から幅広く分析されています。僕は治療的対象としてひきこもりを捉えていません。心理学的なかかわりは必要だとは思っていますが。社会とのかかわりでひきこもりを捉えていかなければ、多様なひきこもりの状態を正しく理解することは難しいと考えています。本著は、そうした問題意識を持つ僕にとっては学び多い本でした。ただ就労に結びつけるのが支援ではありません。その人らしく生きる「生」を歩めるようにするのが支援だと思っています。2019/01/03

soto

2
ひきこもりにをさまざまな側面から研究しており、全体として包括的なアプローチとなっている。ひきこもりという概念が含む曖昧さ、当事者(候補)が自分をひきこもりすることの功罪、家族の受容や外部からのはたらきかけなど、多くの重要な示唆に富んだ現象がひきこもり界隈では起きていることが、丁寧に描かれている。仮説でもいいので、もう少し社会構造的なところの分析が深まればよいなとも思った。2010/06/27

アマテラス

2
「ひきこもり」概念の社会的な変遷を解説。主要な専門家は押さえている。

ひろとん

0
社会学と銘打ってるだけあって、他の研究所に比べて秀でている点が多い。前半部の言説分析はより細かく、また接合されていればなお良い。2017/12/09

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