内容説明
アメリカは団体の国、クラブの国である。トクヴィルをはじめ多くの観察者が、アメリカ人はすぐに組織を作ると指摘してきた。アメリカは、民間が支える国でもある。企業の影響力は強く、ヴォランティア団体も無数に存在する。本書は、国と個人の間に介在する家族・組織・団体・コミュニティ・運動などに焦点をあてて、個人や国家・政府だけからは見えてこないアメリカらしさとアメリカの変化と現状を探っていく。
目次
組織からみるアメリカ
第1部 アメリカ社会をつくる(異性愛という制度―現代アメリカ同性婚論争の根にあるもの;白人近隣組織の活動と新しい保守主義の形成―第二次世界大戦後におけるジョージア州アトランタの郊外化を題材に;コーポレート・アメリカ―ビッグ・ビジネスとミドル・クラス;二大政党―争点志向の政治への適応;ジャーナリズム批判と自己統治;アメリカ社会と内部告発;バスケットボールと「アメリカの夢」―組織から見るアメリカンスポーツの形成と変容)
第2部 アメリカ人をつくる(新しい家族像・新しい母親像を求めて;ホームスクール運動の諸相;心の習慣を求めて―プロミス・キーパーズがしめす男性像)
第3部 アメリカ社会を変える(アメリカ・フェミニズムの今;公民権運動とその波紋)
個人と国家のあいだからアメリカを考える
著者等紹介
久保文明[クボフミアキ]
1956年東京都生まれ。1979年東京大学法学部卒業。1989年法学博士(東京大学)。東京大学大学院法学政治学研究科教授
有賀夏紀[アルガナツキ]
1944年東京都生まれ。1996年スタンフォード大学大学院歴史学部博士課程修了(Ph.D.)。埼玉大学教養学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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