Minerva社会福祉叢書
救貧のなかの日本近代―生存の義務

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  • サイズ A5判/ページ数 295,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784623047734
  • NDC分類 369.2
  • Cコード C3336

内容説明

戦前日本の救貧は、個人の権利でもなく、国家による恩恵でもなく、シティズンシップにともなう国民の義務、“全体”への参加の義務であった。本書は、1920年代から1940年前後を中心に、救貧をめぐって展開された“言説実践としての政治過程”を分析し、この時期を通じて繰り返された救貧理念―“生存の義務”―の構造と、それが時代を超えて再生産されていく過程を明らかにする。

目次

序章 シティズンシップと日本近代
第1章 問いと視点
第2章 軍事救護法(一九一七年)と「国家」―二つの国家論と二つの権利論
第3章 救護法(一九二九年)と「社会」―義務としての生存権
第4章 救護法の運用と方面委員制度―「社会」に浸透される「国家」
第5章 “戦時革新”の言説(一九三〇年代後半)―人的資源と生産力
第6章 社会事業法(一九三八年)の制定―発展段階論という物語
第7章 母子保護法(一九三七年)の形成―女たちの“公職”
第8章 生存の義務
終章 戦後への問い

著者等紹介

冨江直子[トミエナオコ]
1973年滋賀県に生まれる。1996年東京大学文学部卒業。2004年東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了(専攻:社会学)。2003~2005年度日本学術振興会特別研究員(PD)。現在、流通経済大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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