内容説明
多様な視点から迫り、一八世紀に書かれた『ガリヴァー旅行記』が三世紀近くの時を超えて、現代の読者にも魅力的な物語であり続ける理由を明らかにしようとしたのが本書である。
目次
1 作品概説・作家概説(『ガリヴァー旅行記』の諷刺の世界;スウィフトの顔、ガリヴァーの声―アングロ・アイリッシュとスウィフト)
2 植民地主義・帝国主義表象(『ガリヴァー旅行記』、帝国、英蘭関係;ヤフーの咆哮、フウイヌムのいななき―『ガリヴァー旅行記』に見る植民地問題)
3 一八世紀の知の世界(スウィフトの科学諷刺を読む;驚異の装置;「科学嫌い」の諷刺文学―『ガリヴァー旅行記』第三篇のコンテクスト;見世物の世紀―見世物世界と『ガリヴァー旅行記』)
4 新たな読みの地平(バブル・フィクション―『ガリヴァー旅行記』と「信用」;スウィフトの庭;エッセイ―現代から見れば;フウイヌムと差異のない世界―『ガリヴァー旅行記』第四篇におけるエクリチュールの問題と近代批判)
著者等紹介
木下卓[キノシタタカシ]
愛媛大学教授
清水明[シミズアキラ]
信州大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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