Minerva社会学叢書
ルーマン 法と正義のパラドクス―12頭目のラクダの返還をめぐって

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  • サイズ A5判/ページ数 342p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784623044603
  • NDC分類 321.3
  • Cコード C3336

内容説明

多くのラクダを所有する男が、子どもたちに次のような遺言を残した。長男には、所有する半分のラクダ、つまり6頭を与える、次男には4分の1を、そして三男には6分の1を。ところが、男が亡くなったときラクダは減って11頭になり、分配が困難になった。調停にあたった裁判官は、子どもたちに裁判官自身のラクダを1頭貸して12頭とし、それぞれ2分の1の6頭、4分の1の3頭、6分の1の2頭を与えたのち、貸した1頭を返してもらった…。イスラム世界の法寓話についてのルーマンの提示したテーゼに、それぞれの著者が応答するかたちで、法と正義のパラドクスに関し、神学、哲学、社会学、法理論のパースペクティブから議論を展開する。

目次

テーゼ(12頭目のラクダの返還―社会学的法分析の意味)
応答(もしもヨハネが、アリストテレスと正義をめぐる対話を深めたら―ニクラス・ルーマン「12頭目のラクダ」のための後書き;法の根本パラドクスとその展開―パラドクスの分析論によせて;いかにしてアラーの意志とともにありうるか?;自己言及的ラクダ―近代の自律的法の創成;法疎隔化―12頭目のラクダの社会的付加価値によせて)
インタビュー(ニクラス・ルーマンと法社会学―ニクラス・ルーマンとの対談:1991年1月7日、ビーレフェルトにて)