内容説明
「皇帝と帝国」がどのような意味をもつのかという問題は、歴史研究の最も重要なテーマのひとつである。「神聖ローマ帝国」の皇帝は、1000年にもわたって、ヨーロッパ大陸の西部で、最も地位の高い君主であった。ヨーロッパの人々の政治意識や宗教意識において、皇帝権は大きな役割を演じ、ヨーロッパが文化的な統一体になることに寄与したのである。本書は、『西欧中世史事典』の続編として構想された、帝国と皇帝権に関する国制史の教科書である。入門書としての教育的な見地から、様々な学説、現在の論争、未解決の問題を述べただけでなく、制度、人物、出来事、概念に関する導入的な解説をも加え、主要な史料の該当箇所は原語と意訳で示し、また事典としても役立つように配慮した。
目次
1 帝国(概念規定;歴史的背景;帝国の領土;帝国と国民 ほか)
2 皇帝権(概念規定;歴史的背景;皇帝権の国制史的・理念史的現象形態)
著者等紹介
シュルツェ,ハンス・クルト[シュルツェ,ハンスクルト][Schulze,Hans Kurt]
1932年ドイツ・テューリンゲン地方のアルテンブルクに生まれる。1951年ライプツィヒ大学とベルリン自由大学で歴史学と古典語を学ぶ(~61年)。1962年哲学博士の学位取得。1971年マールブルク大学教授に就任。1998年定年退職
五十嵐修[イガラシオサム]
1957年埼玉県生まれ。1989年早稲田大学大学院文学研究科史学専攻博士課程退学(課程修了)。東洋英和女学院大学国際社会学部助教授
浅野啓子[アサノケイコ]
1984年早稲田大学大学院文学研究科史学専攻博士課程退学(課程修了)。早稲田大学理工学部非常勤講師、米沢女子短期大学非常勤講師
小倉欣一[オグラキンイチ]
1937年東京都生まれ。1966年早稲田大学大学院文学研究科史学専攻博士課程退学(課程修了)。早稲田大学文学学術院教授
佐久間弘展[サクマヒロノブ]
1958年愛媛県生まれ。1992年バイロイト大学博士課程修了。早稲田大学教育総合科学学術院教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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