出版社内容情報
【内容】
青木昌彦は、1980年代に形成された日本企業に関する新しい通説をJ企業論としてスマートに理論化した。本書は、小池和男の労働論、浅沼萬里のサプライヤ・システム論に依拠したこの青木理論の批判を行い、日本企業論と日本経済論を再構築するとともに、さらに日本型経済システム・日本的経営のオールタナティヴな全体像を提示する。
【目次】
はしがき
Ⅰ 実態編
第1章 人事査定は公正か(遠藤公嗣)
1 問題の設定
2 小池和男「公正な査定」論の批判
3 羅列的「公正な査定」論の批判
4 査定結果を知る権利の欠如
5 長期勤続従業員の査定差別
第2章 職場の情報は共有されているか(浅生卯一)
1 「水平的情報機構論」
2 作業活動の調整の仕方
3 「様式化された事実」
4 「水平的情報機構論」に欠落していること
第3章 非正規は差別されていないか(大沢真理)
1 「フルタイム・パート」を含めて
2 1990年代の「パートタイム」労働者の処遇実態
3 「パートタイム」労働者の処遇にかんする政策と学説
4 均等待遇は正社員のためにも
第4章 下請はリスクシェアリングか(植田浩史)
1 下請評価の変化と新しい議論の登場
2下請:「問題」から成功の「鍵」への転換
3 浅沼萬里の下請(サプライヤ)論
4 青木昌彦の下請への評価
5 下請のこれまでとこれから
第5章 日本の労働組合は交渉しているか(上井喜彦)
1 1980年代の交渉論
2 青木昌彦の「交渉ゲーム論」
3 小池和男の交渉機能論
4 「分配」をめぐる労働組合の交渉力
5 「努力」をめぐる労働組合の交渉
6 「経営戦略」に対する労働組合の交渉力
7 企業別労働組合の難点
Ⅱ 理論編
第6章 知的熟練論の問題点(野村正實)
1 知的熟練論
2 専門工と生産性
3 内部労働市場
4 実証なき理論
第7章 青木理論と日本企業の現実(金子 勝)
1 今なぜ青木理論を問題にするのか
2 双対性原理:青木理論の骨格
3 青木の理論と現実
4 企業合理性はマクロ経済の合理性か
5 本当の課題は何か
第8章 J企業論の失敗(竹田茂夫)
1 「比較制度分析」の日本企業論
2 日本企業の「合理的」説明
3 合理性と効率性
4 情報とインセンティヴ
5 交渉ゲーム
6 制度的補完性
7 理論のための理論?
付 非協力交渉ゲーム
人名索引/事項索引
内容説明
青木昌彦は、1980年代に形成された日本企業に関する新しい通説をJ企業論としてスマートに理論化した。本書は、小池和男の労働論、浅沼万里のサプライヤ・システム論に依拠したこの青木理論の批判を行い、日本企業論と日本経済論を再構築するとともに、さらに日本型経済システム・日本的経営のオールタナティヴな全体像を提示する。
目次
1 実態編(人事査定は公正か;職場の情報は共有されているか;非正規は差別されていないか;下請はリスクシェアリングか;日本の労働組合は交渉しているか)
2 理論編(知的熟練論の問題点;青木理論と日本企業の現実;J企業論の失敗)
著者等紹介
上井喜彦[カミイヨシヒコ]
1947年大阪府生まれ。1979年東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。現在、埼玉大学経済学部教授
野村正実[ノムラマサミ]
1948年静岡県生まれ。1976年東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。現在、東北大学大学院経済学研究科教授
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