出版社内容情報
【内容】
人は「語る」ことによって、生の意味を見いだし、自己を変え、人と人の共同世界をつくり、世代と世代をつないでいきます。
心理学、人類学、教育学、社会学など学問の壁を超え、最先端の「物語」アプローチで来し方と行く末をむすび、ものの見方を創造的にひらいていきます。
【目次】
1 人生を物語ることの意味
2 病いの語りと人生の変容
3 喪失と生成のライフストーリー
4 「同志会」という共同の物語
5 語ることによる経験の組織化
6 頭部外傷者の〈物語〉/頭部外傷者という〈物語〉
7 旅することと人生の物語
8 生成することと人生の物語
9 生成する自己はどのように物語るのか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tkokon
5
【課題図書】「物語り」「ライフストーリー」を論じた一冊。会社も個人も、それぞれにライフストーリーが必要なのだ。そして、脳に損傷を受けてしまった患者、大事な人(スポーツ選手)を突然失ったファン、異郷でがんばる人の集団などの事例研究を通じて、そうした「ストーリー」が果たす役割と重要性、ストーリーに求められる機能などが論じられる。ストーリーに大事なのは「正確さ」ではなく「編集の過程で織り込まれた思い・願い」なのではないかと、感じる。2019/12/28
ステビア
4
サラッと読む。オムニバスだがそれぞれにコメントがついてて馴れ合いっぽい。2013/12/02
nranjen
3
図書館本。2000年出版。他の本の参考文献からやってきたのだが、色々学ぶことが多く、多々収穫あり。ライフストーリーを中心に研究しているやまだようこさんが編集している。彼女の初っ端の論述が読み応えがあり、また数珠つなぎに読みたい本がつらなってきた。自伝のもつ複雑性にも触れられていている。引用されているリクールとフーコーは必読だ。生きられた過去、経験された過去、語られた過去の引用はどこか違うところでも言われていることのような?2021/02/25
わた
2
自分のことを語ることで自分自身を発見し、また発展させていくこともある。臨床の立場からだけではなく社会心理など様々な立場からナラティブアプローチについて考えられている本だと思った。印象に残っているのはF1レーサー、アイルトン・セナの死をうまく受け入れることができなかった人たちがどのようにしてそのことを受け入れていくことができるようになったかの過程を本人たちが語っている章。人の死は簡単には処理ができなく、影響を受ける人それぞれによって違った角度があることを改めて知れた。2011/07/26
りく
1
喪失と生成のライフストーリー セナの事故死とファンの喪失の語り 卒論として 2017/07/30