出版社内容情報
【内容】
介護者と要介護者の閉じた世界が虐待を発生させる。北米の高齢者研究をふまえ、精神医学、法律社会学、臨床医学、看護学、ソーシャルワークなど複数の専門領域から高齢者虐待問題を解明。
【目次】
第1章 高齢者の虐待とは何か
1 高齢者虐待の実態
2 定義
3 虐待・放置の数
4 だれが被害者で、だれが加害者か
5 虐待の指標
6 理論の整理
7 医師の役割
8 アメリカにおける制度の展開
9 研究の課題
第2章 虐待の臨床的分類と事例
1 高齢者人口
2 臨床専門家の役割
3 虐待・放置の分類
4 虐待・放置の類型と事例
5 被害者と加害者のプロフィール
第3章 虐待と法的介入
1 法的介入の現状
2 脅迫・暴行・不法監禁
3 怠慢
4 不法な干渉
5 金銭上の虐待
6 市民的自由に対する虐待
7 改善すべき課題
第4章 虐待の社会学的な解明
1 家庭内暴力
2 入所施設における虐待
3 理論的見解
4 虐待に取り組むための原則
第5章 虐待のソーシャルワーク実践
1 確認
2 職務報告
3 施設内虐待
4 共同活動
5 介入
6 防止
第6章 看護専門職の気づきと虐待アセスメント
1 関係する原因
2 高齢者に対する態度
3 今後の方策
4 アセスメント
5 看護婦の意識づけ
第7章 専門職による多角的アセスメント
1 高齢者虐待にかかわる専門職チームの役割
2 複合専門職チームの問題――事例研究
3 専門職チームによる効果的なアセスメントのために
第8章 家庭医の役割と臨床事例
1 家庭医の状況
2 問題発見のためのスクリーニング
3 行動のためのガイドラインの必要
4 家庭医の役割
5 ケース検討会議
6 事例研究
7 家庭医の果たす役割と課題
第9章 ケアリングとストレス
1 ケアリングとは何か
2 介護形態による検討
3 交流分析モデルの有効性
4 ケアリング状況に関する新しいモデル
第10章 高齢者の人権を守るために
1 行動指針の開発
2 地方当局の対応
3 施設のガイドライン
4 関係機関相互の協力
5 法律の問題
6 北米からの助言
7 アセスメントの方法の確立のために
8 継続的研究の必要性
補遺 高齢者虐待防止――行動のための指針
参考文献
訳者あとがき――高齢者虐待研究の動向
内容説明
高齢者虐待は、障害者や児童の虐待とどのように異なるのか。偏見と差別を退けて、高齢者の尊厳を守るためにはどのような視点とチェックリストが必要なのか。本書は、アメリカ・カナダの高齢者虐待研究をふまえて、介護者と要介護者の閉じた世界が虐待を発生させることを精神医学、法律、社会学、臨床医学、看護学、ソーシャルワークをはじめとする複数の専門領域から解明する。公的介護保険の導入に伴い、介護の社会化が急がれているおり、コミュニティケアの哲学にこだわる予防・対策の方法に学ぶ意義は大きい。
目次
第1章 高齢者の虐待とは何か
第2章 虐待の臨床的分類と事例
第3章 虐待と法的介入
第4章 虐待の社会学的な解明
第5章 虐待のソーシャルワーク実践
第6章 看護専門職の気づきと虐待アセスメント
第7章 専門職による多角的アセスメント
第8章 家庭医の役割と臨床事例
第9章 ケアリングとストレス
第10章 高齢者の人権を守るために