公的介護保険に異議あり―もう一つの提案 (増補版)

公的介護保険に異議あり―もう一つの提案 (増補版)

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  • サイズ A5判/ページ数 222,/高さ 21cm
  • 商品コード 9784623027996
  • NDC分類 369.26
  • Cコード C3036

出版社内容情報

【内容】
「誰でも・いつでも・どこでも」介護サービスの公的保障を実現するために,福祉・医療保障の広い視野から素直な不安と具体的な提言を行う。公的保険法案の概要と,問題点を新しく増補した。

【目次】
第1部 新介護保障システムと公費負担方式  里見賢治
はじめに――公的介護保障への熱い期待
第1章 介護政策の変遷と現状
1 『恍惚の人』の衝撃
2 高度成長の終焉と福祉政策
3 「私的介護優先」の時代
4 「家族介護支援」への転換
5 「高齢者保健福祉推進一〇か年戦略」の登場
6 「老人保健福祉計画」とその意義
7 「新一〇か年戦略」の策定
8 政策理念の変化――新介護保障システム形成への議論の台頭

第2章 公的介護保障の理念と課題
1 理念――要介護者の自立支援
2 普遍性、権利性、公平性、選択性
3 介護サービスの量的・質的整備の緊急性
4 ホームヘルパーの整備計画の問題点と課題
5 サービス量整備のための必要条件
6 新しい抜本的整備計画の策定の必要性

第3章 公費負担方式による新介護保障システムの構築
1 「自立支援」としての新介護保障システム
2 介護保険構想の台頭とその論拠
3 介護保険は普遍的か
4 選択性は介護保険の専売特許か
5 公費負担方式による権利性の確保
6 税による公平な財源調達――保険料は「隠れた税」
7 公費負担方式による低額均一制の利用者負担
8 介護保険方式はサービスの供給体制を促進するか
9 医療保険との整合性は不可欠か
10 介護保険論者の苦渋
11 介護保険の対象を高齢者に限定する弊害
12 「サービス給付なき保険料負担」の矛盾
13 サービス給付は十分か
14 家事援助サービスは保険給付されるか
15 介護保険の利用者負担の重さ
16 介護サービス等の提供システム

第4章 公費負担方式の財源政策
1 社会保険方式の幻想の克服――日本人は愚かなのか?
2 税の使途の明確化――介護保障目的税の構想
3 直接税財源の介護保障特定財源化
4 介護保障目的税の検討――消費税の取扱い
5 企業負担の介護保障特別税の新設
6 介護保障の所要財源とその配分
7 幻想からの脱却――真の普遍的介護保障システムへ
(補足)老人保健福祉審議会「新たな高齢者介護制度について(第二次報告)」へのコメント

第2部 公的介護保険の問題点  二木 立
はじめに
第1章 公的介護保険は厚生省の政策・路線の三つの破錠、転換を示す
1 福祉政策の破綻
2 医療政策の破綻
3 財源調達方式の転換

第2章 公的介護保険の三つの不公正
1 社会保険方式一辺倒の議論は不公正
2 「高齢者以外の障害者」排除は不公正
3 公的介護保険をめぐる情報操作は不公正

第3章 三つの公的介護保険「打ち出の小槌」論
1 第一の打ち出の小槌論――介護費用の財源が急増
2 第二の打ち出の小槌論――二四時間対応の在宅ケアが急速に普及
3 第三の打ち出の小槌論(幻想)――医療費の枠が広がる

第4章 公的介護保険の将来予測
1 厚生省が社会保険方式に固執する五つの理由
2 「サービスの普遍性」原則に反する「四段階システム」が形成される危険
3 公的介護保険が医療に与える影響の予測

おわりに――五つの改善提案(増補版)

第3部 デンマークとドイツの介護政策と日本への教訓  伊東敬文
第1章 デンマークの介護制度とその教訓
1 デンマークの介護制度の特色
2 行財政制度――地方主権の地方自治
3 デンマークの介護サービス制度
4 デンマークの制度から日本が学べること

第2章 デンマークから見たドイツの介護保険制度
1 税か保険か?――百年前の社会保障財政論
2 ドイツ介護保険制度の成立過程
3 官僚的な介護のニーズ判定制度
4 問題多い現金給付
5 ドイツの社会保障の根底にある「支援順序の原理」
6 ドイツの行政制度の特異性
7 日本における介護制度充実のための提言

終章 介護保険構想の混迷と普遍的介護保障の課題  里見賢治
1 老人保健福祉審議会『最終報告』から介護保険制度案大綱へ――その混迷と迷走
2 介護保険法案の概要と問題点
3 普遍的介護保障制度の構築に向けて

内容説明

いま厚生省を中心にすすめられている「公的介護保険」構想―新たな保険料を徴収する「公的保険」がなぜ急いで検討されているのか。いくらの保険料を払うのか。なぜ定額制なのか。必要な時「誰でも、いつでも、どこでも」充分なサービスが受けられるのか。介護を要する65歳未満の障害者がなぜ保険対象から除かれるのか。21世紀に向けて、真の公的介護保障システムの構築を願う3人の論者が、もう一つの提案を緊急出版。

目次

第1部 新介護保障システムと公費負担方式(介護政策の変遷と現状;公的介護保障の理念と課題;公費負担方式による新介護保障システムの構築;公費負担方式の財源政策)
第2部 公的介護保険の問題点(公的介護保険は厚生省の政策・路線の三つの破錠、転換を示す;公的介護保険の三つの不公正;三つの公的介護保険「打ち出の小槌」論;公的介護保険の将来予測)
第3部 デンマークとドイツの介護政策と日本への教訓(デンマークの介護制度とその教訓;デンマークから見たドイツの介護保険制度;介護保険構想の混迷と普遍的介護保障の課題)