出版社内容情報
【内容】
死は誰にも避けられない。死ぬ者も,遺される者も,それぞれの事実として受け止める心の準備が必要である。寿命の大幅な伸びなど流動化する現代社会のなかで,さまざまな視点から,死とその周辺について語る。
【目次】
序章 生と死の人口学 嵯峨座晴夫
1 死すべきものとしての人間
2 人口学における生と死
3 人口革命
4 生と死の人口問題
1 死の文化相
第1章 死の歴史人類学――ヨーロッパの死生観 蔵持不三也
1 死の始源
2 死者と葬送
3 死の民俗
第2章 死の文化的多様性 矢野 敬生 木下 英司
1 死の文化的多様性とは
2 日本における伝統的な葬送儀礼
3 日本の葬送儀礼にみられる特質
4 中国における死のあり様
5 〈一家子〉の構造と祖先祭祀
6 祖先観と陰間(あの世)
7 死の研究についての将来的展望
第3章 スポーツにおける死 宮内 孝知
1 スポーツと死
2 スポーツにおける死
3 スポーツマンの死と生――円谷幸吉とモーリス・エルゾーグ
2 死の看とりと場所
第4章 死に場所づくり――新潟県大和町における医療・保健・福祉の連携 斎藤 芳雄
1 大和医療福祉センターの活動
2 大和町は長寿の町になった
3 死に場所づくりのために
4 地域が生きなければ、地域医療も地域福祉も生きない
第5章 光り輝いて星になる――特別養護老人ホームの介護と看とり 堺 園子
1 ありがとうの日々――ガンと闘ったTさんへの終末ケア
2 天からの贈物――脳梗塞後遺症右片マヒAさんの死
3 鎮魂歌――心臓発作で急逝したYさんの愛
4 ゴール――死を待っていたKさんの生き方
5 特別養護老人ホームの介護と看とり
第6章 死の形――病死・事故死・自殺 有吉 広介
1 大衆長寿時代の死
2 病死
3 事故死
4 自殺
5 大衆長寿時代の死から学ぶ
3 死をめぐる人間関係
第7章 死と地域社会 店田 廣文
1 配偶者との死別経験者の調査から
2 死別後一年以内の経験者の事例
3 死別後三年以上の経験者の事例
4 新たな生と地域社会
第8章 ひとりになるとき、なったとき――取材ノートから 山口 道宏
1 「二人だから大丈夫」!?
2 自分からはいえないSOS
3 イザといっても
4 「はいれない」「帰りたい」「帰れない」
5 退院したらどうしよう
6 たかがホーム、されどホーム
7 そして、ひとりに
第9章 二十一世紀の結縁と葬送を考える 井上 治代
1 昨今の葬送事情
2 市民運動と葬送ブーム
3 家族の変化とお墓
4 二十一世紀の葬送を考える
4 死と向かい合う
第10章 末期ケアにおけるバイオエシックス――生と死を支え合う 木村 利人
1 医療と「善い行い」の原則
2 自己決定の原則とインフォームド・コンセント
3 専門化の義務と責任・倫理
4 公正と平等の原理
5 生命の神聖性と生命の質
6 こころのケア
7 末期ケアとボランティア
第11章 若者の死生観 大竹登志子
1 看護学の立場から「ターミナル・ケア」を考える
2 身近な死――学生のレポートから
3 ターミナル・ケアを考えて――学生のレポートから
4 学生のレポートから若者の死生観をみる
5 看護学からみた「ターミナル・ケア」
第12章 クスリはリスク――死なないために 松井 壽一
1 くすりの起源
2 くすりの歴史
3 くすりの本質
4 くすりの研究
5 くすりの流通
6 これからのくすり
終章 大衆長寿時代の死に方 濱口 晴彦
1 なぜ死が語られるようになったのか
2 生と死のタイポロジー
3 スフィンクスの謎
4 死に方をめぐる二つのシナリオ
内容説明
流動化する社会のなかで、さまざまな視点から死の周辺をさぐる。
目次
1 死の文化相
2 死の看とりと場所
3 死をめぐる人間関係
4 死と向かい合う