健康と病のエピステーメー―十九世紀コレラ流行と近代社会システム

健康と病のエピステーメー―十九世紀コレラ流行と近代社会システム

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  • サイズ A5判/ページ数 264,/高さ 22X16cm
  • 商品コード 9784623021208
  • NDC分類 498.6
  • Cコード C3022

出版社内容情報

【内容】
19世紀のコレラ流行に関して、何が・どのように・語られたか。またその語りを成立させているものの系譜をたどり、「新しい」歴史学としての社会史の《外》への出口をさぐる。

【目次】
序に代えて
初出一覧
凡例
第一部
第一章 <報告-摘発>するコレラの社会史
第一節 コレラ流行の研究史
第二節 R・J・エヴァンズ『ハンブルクに死す』
第三節 <出口>を塞ぐエヴァンズ
第二章 視線の掃討-一八九二・コレラ・ハンブルク
第一節 <穴蔵>地区の問題化
第二節 コレラ菌の<持ち込み>および伝染の<犯人>捜し
第三節 コレラ流行地区へのまなざし
第四節 掃討を受ける「コレラの巣窟」
第五節 コレラ流行時のハンブルク当局と社会民主主義者
第六節 社会民主主義者による<報告-摘発>行動
第七節 シンクロナイズしない身体と<能力>
第八節 <有能>化する<遊牧民>
第三章 知覚の変換-十九世紀日本の場合
第一節 コレラ流行を見る眼
第二節 もう一つの知覚-経験
第三節 治安-平定された知覚
第二部
第四章 知・富・健康のトリアーデ
第一節 社会史と十九世紀コレラ流行
第二節 バイオの権力としてのポリスあるいはポリツァイ
第三節 ミアスマとコンタギオンの系譜学
第四節 <風土>病化されるコレラ流行
第五節 <衛生の経済>
第五章 <追放>から<絶減>へ-コレラ流行とオゾン説
第一節 オゾンの現在
第二節 コレラ流行と<消毒>
第三節 <絶滅>の様式
第四節 J・ヘンレによる切断 
第六章 われら十九世紀の子-歴史学とテロス
第一節 マゾヒズムと<主体>の袋小路
第二節 社会史と見えない<起源>
第三節 歴史家の時間
第四節 回収されるフーコー

内容説明

19世紀のコレラ流行に関して、何が・どのように・語られたか。またその語りを成立させているものの系譜をたどり、「古い」歴史学からの自由―「新しい」歴史学としての社会史の〈外〉への出口をさぐる。

目次

第1章 〈報告―摘発〉するコレラの社会史
第2章 視線の掃討―1892・コレラ・ハンブルク
第3章 知覚の変換―19世紀日本の場合
第4章 知・富・健康のトリアーデ
第5章 〈追放〉から〈絶滅〉へ―コレラ流行とオゾン説
第6章 われら19世紀の子―歴史学とテロス

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Mealla0v0

2
19世紀のコレラ流行をめぐる言説を検討することで、言説の変化と近代社会の成立をアナロジー的に分析している。かつて、コレラは民俗知に支えられ、祓われるべき穢れとして追放されるべきものと捉えられていた。それが、近代的人間像や科学知の創出とともに変化することになる。コレラに病因があり、それを取り除けるならば、いまや絶滅可能な対象として認識される。近代的統治空間が均一に整除されれば、そこでの異常が排除されるのと同様に、というわけだ。追放の言説はその後進性が「摘発・報告」される。この変化は「国民の健康」に現れる。2020/08/16

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