出版社内容情報
ヒーロー物語の原型としての聖書、聖なる愚者などのキャラクター…西洋美術史家が古今の作品を読み解いてゆく、発見に満ちた映画論
内容説明
名匠たちはみな、聖書を原風景として名作を生みだしてきた。物語・キャラクター・表現手法に息づくキリスト教を多角的に分析し、映画論の盲点を照らし出す。
目次
1 映画と宗教、あるいは映画という宗教
2 サイレントのイエス
3 イメージの力、言葉の力、音楽の力―パゾリーニ『奇跡の丘』
4 変容するイエス像
5 その子はいかにして生まれたのか
6 脇役たちの活躍―イスカリオテのユダとマグダラのマリア
7 キリストに倣って
8 「聖なる愚者」たち
9 「クリスタ」たち
10 涜聖
著者等紹介
岡田温司[オカダアツシ]
1954年生まれ。京都大学大学院博士課程修了。現在、京都大学大学院人間・環境学研究科教授。専門は西洋美術史・思想史。著書に『モランディとその時代』(人文書院、2003/吉田秀和賞)、『フロイトのイタリア』(平凡社、2008/読売文学賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Bevel
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温司先生らぶが炸裂してしまった。 一点だけ!バラバの主役はアンソニー・クインだと思う。2023/06/09
姫苺
0
タイトルの通り、キリストにまつわる映画についての本。作品をひとつずつ紹介しながら論じていく流れなので、キリスト関連映画のガイドブックのようでもある。本の前半はイエス=キリストの生涯を扱った作品についての内容なんだけれど、後半はキリスト本人や聖書とは直接関係のない「キリスト教の側面から解釈できる」映画の話で、個人的には期待してた内容からそれてしまった感。あとスコセッシをとりあげるなら「沈黙」についても論じてほしかった……。出版半年前の公開だから間に合わなかったのかなぁ2020/02/28