出版社内容情報
「一般の人と医師団との間にある、一種のずれ、すれ違い、違和性、どこか相合わないもの――この違いはかなり深い」(『臨床瑣談 続』)。家族や知人の身におこった認知症やがん等の病に、患者と主治医のあいだという立場から関わり、生存だけでなくQOL(生活の質)に配慮した治療のあり方を考えた「ガンを持つ友人知人への私的助言」「SSM、通称丸山ワクチンについての私見」「昏睡からのサルヴェージ作業の試み」ほか28編。最相葉月解説
日本の精神医学に新たな道を切り拓き、透徹した理性と柔軟な感性、研ぎ澄まされたアンテナ感覚で人と時代を捉えてきた精神科医・中井久夫。1964年にペンネームで発表した論考から東日本大震災以後まで、半世紀にわたり世に届けつづけた作品の数々をここに年代順に編み、著者の歩みの一端を共有したいと考える。全11巻。
内容説明
「SSM、通称丸山ワクチンについての私見」「ガンを持つ友人知人への私的助言」「煙草との別れ、酒との別れ」「敗戦直後の山岳部北アルプス行き」等28編を収録。
目次
院内感染に対する患者自衛策試案
焔とこころ、炎と人類
昏睡からのサルヴェージ作業の試み
敗戦直後の山岳部北アルプス行き
ガンを持つ友人知人への私的助言
戦艦ミズーリと特攻機
建物は正面だけでよいか
河合隼雄先生の対談集に寄せて
SSM、通称丸山ワクチンについての私見
辞書からみた伝統と文化
心的外傷寸感
軽症ウイルス性脳炎について
国内外の精神医学の動向一端
認知症に手さぐりで接近する
認知症の人からみた世界を覗いてみる
伝記の読み方、愉しみ方
「生きた証」を求める
血液型性格学を問われて性格というものを考える
臨床引退後の日々
煙草との別れ、酒との別れ
株主優先でよいのか
安克昌先生と私
私が面接で心がけてきたこと―精神科臨床と臨床心理学をめぐる考察
現代医学はひとつか
難事に現れるリーダー
『ニイルス・リイネ』
ある団地の変化
遅発性心的外傷患者への絵画療法の試み
著者等紹介
中井久夫[ナカイヒサオ]
1934年奈良県生まれ。京都大学医学部卒業。神戸大学名誉教授。精神科医(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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