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始まりの本
政治的ロマン主義

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  • サイズ B6判/ページ数 266,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622083535
  • NDC分類 311.234
  • Cコード C1331

出版社内容情報

ワイマール共和政の「決断なき政治」を痛烈に批判、その根源にあるロマン主義を徹底検証する。全体主義を考える必須の書。

内容説明

「政治的活動がはじまるところで政治的ロマン主義は終わる」ナチスへの道筋か、辛辣な批判か。全体主義を考える必須の書。

目次

緒論(ドイツ人の見解・反動と復古のイデオロギーとしての政治的ロマン主義;フランス人の見解・革命の原理としてのロマン主義、ルソー主義 ほか)
1 外的状況(ドイツにおけるロマン主義文人の個人としての政治的意義;シュレーゲルの政治的無力 ほか)
2 ロマン主義精神の構造(実在の探究;ロマン主義の機会原因論的構造)
3 政治的ロマン主義(一七九六年以降の国家理論の展開の概観;反革命的および正統主義的国家観とロマン主義的国家観の相違 ほか)
むすび 政治的現象の随伴情感としての政治的ロマン主義

著者等紹介

シュミット,カール[シュミット,カール][Schmitt,Carl]
1888‐1985。ドイツの公法学者。ベルリン、ミュンヒェン、シュトラースブルクで学び、1916年「国家の価値と個人の意義」で教授資格取得。ボン大学教授、ベルリン商科大学教授、ケルン大学教授を経て、ベルリン大学教授。第一次大戦後のドイツ、ヨーロッパにおけるヴァイマル体制、ヴェルサイユ体制を批判し、神的なものを欠いた思想状況に決断をくだすべき独裁者の必然性を示したり、敵と味方を峻別する政治概念を規定する。33年5月1日ナチ入党、ナチ政権下で法学界の重鎮となるも、36年親衛隊による攻撃を受け主流からはずれる

大久保和郎[オオクボカズオ]
1923‐1975。慶應義塾大学文学部中退。独・仏文学を専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

てれまこし

6
ワイマール期の保守の論客の一人であるシュミットは反議会主義、反自由主義なのだが、その罪を思わぬところに置いた。ロマン主義というのは捉えどころのない思想・運動で、政治的には保守反動にもなれば過激な革新にもなりうる。シュミットはここに自由民主主義特有の、何でも受け入れようとするが故に「決められない政治」の根源を見た。現実離れしたドイツ知識人の幼児性と自らを守ることのできない共和国を結び付けた。保守革命家と共和主義者の双方が批判の対象となっている。男らしい確固とした決断と行動を迫る本人は結局はナチ支持者となる。2019/05/10

壱萬弐仟縁

3
1925年初出。先ほど読んだ右翼の本からすると、どうしても二項対立の問題に目が留まる。「男性と女性、都市と地方、貴族と市民、上院と下院、体と魂、人格と物、空間と時間、内面性と外面性、過去と未来、刹那と持続、法と利益、理論と実践、ロマン的と古典的、ゲルマン的とローマ的、オリエントとオクシデント、空気と土等々」(166ページ)。クルマの色も白と黒がのような時代になっているのが多様性を否定することになってしまっていないか。それ以外の発想が介入できないのは息苦しい思想界ではないか。社会学なら両者を繋ぐのが作法だ。2013/02/11

衛府蘭宮

2
「ロマン的なるもののすべては他のさまざまの非ロマン的なエネルギーに仕え、定義や決断に超然としているというその態度は一転して、他者の力、他者の決断に屈従的にかしずくことになるのである」(197頁)。因果のない任意の「機会」ーー革命であったり、中世の歴史であったりーーに「萌える」(雑説明御免)だけで、それ自体としての能動性も独自の思想もない政治的ロマン主義への痛烈な批判の書。読んでいて耳が痛い指摘が多いが、それは著者自身も同じであろう。シュミット本人もロマン主義的だ機会偶因論的だと批判されがちなのである。2021/01/16

katashin86

0
論理性・合理性に背を向け、主観的に自らを投影できればそれでよい、機会主義的な運動としての「政治的ロマン主義」ナショナリズムの駆動力となったとしても、実体としての国家・政府の活動が始まるところではもはや成り立たない。2021/02/14

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