内容説明
「すべては最善の状態にある」と説く師の教えを無邪気に信じる青年カンディードには、“戦争”の現場さえも調和した光景に見えています。18世紀の作家ヴォルテールが描く“戦争”に直面した若者の場面を取り上げ、テクスト分析の手法で読み解いてゆくこの授業で、「読む」スリルと「共振」のダイナミズムを体感してください。
目次
第1回 「きれいな戦争」?(戦争のイメージ(一))
第2回 カンディードは言葉の囚人?(城の世界の構造―第一章を読む)
第3回 間近から見る戦場(戦争のイメージ(二)
まとめ―歴史の大きな変わり目とその表現)
補講 「断片化した身体」から見えてくるもの
著者等紹介
水林章[ミズバヤシアキラ]
1951年生まれ。東京外国語大学教授。専攻は十七‐十九世紀前半のフランス文学。近世・絶対王制期の西欧に現代の世界システムの直接的な起源があるという視点に立ち、近代成立期のフランス文学・思想を歴史的・社会的変容とのかかわりにおいて読み直す作業を進めている
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