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文学のユートピア―1942‐1954

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  • サイズ A5判/ページ数 422p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784622081111
  • NDC分類 958
  • Cコード C1310

出版社内容情報

病身の文学青年から、気鋭の批評家へ。最初に発表した論文「文化と悲劇」から、『零度のエクリチュール』『ミシュレ』を刊行するまでの13年間のテクスト59篇を収めている。なかでも「アンドレ・ジッドとその『日記』についてのノート」「『異邦人』の文体に関する考察」「文法の責任」「ミシュレ、その〈歴史〉と〈死〉」などの重要な論文の初訳、そして旺盛に展開される演劇批評の数々は、初期バルトの像を生き生きと伝えて胸おどる。

第2回配本:2004年9月24日刊

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ロラン・バルト著作集 全10巻
1 文学のユートピア 1942-1954 第2回配本
2 演劇のエクリチュール 1955-1957
3 現代社会の神話 1957
4 記号学への夢 1958-1964
5 批評をめぐる試み 1958-1964
6 テクスト理論の愉しみ 1965-1970
7 記号の国 1970
8 断章としての身体 1971-1974
9 ロマネスクの誘惑 1975-1977
10 新たな生のほうへ 1978-1980 第1回配本
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ロラン・バルト(Roland Barthes)
1915年生まれ。フランスの批評家・思想家。1953年に『零度のエクリチュール』を出版して以来、現代思想にかぎりない影響を与えつづけた。1975年に彼自身が分類した位相によれば、(1)サルトル、マルクス、ブレヒトの読解をつうじて生まれた演劇論、『現代社会の神話(ミトロジー)』(2)ソシュールの読解をつうじて生まれた『記号学の原理』『モードの体系』(3)ソレルス、クリテヴァ、デリダ、ラカンの読解をつうじて生まれた『S/Z』『サド、フーリエ、ロヨラ』『記号の国』(4)ニーチェの読解をつうじて生まれた『テクストの快楽』『彼自身によるロラン・バルト』などの著作がある。そして『恋愛のディスクール・断章』『明るい部屋』を出版したが、その直後、1980年2月25日に交通事故に遭い、3月26日に亡くなった。バルトの単行本はすべて、みすず書房から刊行される。

内容説明

病身の文学青年から、気鋭の批評家へ。精密な作家論や『零度のエクリチュール』『ミシュレ』の原テクスト、そして活発な演劇批評を繰り広げる初期バルトの、鮮烈な軌跡を伝えて胸おどる59篇。

目次

1942‐1946(文化と悲劇―活字になったバルト最初のテクスト;アンドレ・ジッドとその『日記』についてのノート―公刊されはじめた「日記」 ほか)
1947‐1952(グロメール、リュルサ、コールダー―サイゴンの雑誌に寄せた文化ニュース;文法の責任―「零度のエクリチュール」批判への再批判 ほか)
1953(そう、左翼文学はたしかに存在する―「文学と左翼」アンケートの総評;フォリー・ベルジェール―『現代社会の神話』に収録しなかった「神話」 ほか)
1954(ドン・ジュアンの沈黙―ジャン・ヴィラールが演出するモリエール『ドン・ジュアン』;シネマスコープで―クレティアンが発明した映画の新方式 ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ラウリスタ~

6
バルトの最初期の文章が収められている。ある意味では、バルトがバルトになる前の文章。後期の文章と比べると圧倒的に面白くない。そう考えると、こういったシリーズは前から順番に読むべきではないという持論が立証された形となった。面白くはないし、読みにくさも相当なものなのだけど、時にはピリリときくものもある。主に演劇と、たまに小説に関しての文章。ブレヒトを初期から推していたことや、ケロールって人の小説への偏愛ぶりが窺える。必ずしも読むべき本ではないか。2012/06/02

amanon

2
タイトルに反して、演劇や映画についての論考が多く、また時代性もあって、かなりわかりづらい。各論考がかなり短めだったので、何とか読了できたというのが正直なところ。ただ、マルクス主義が肯定的に語られ、文芸を語る際に階級意識が不可欠であるのが前提という空気が色濃いというのが、興味深い。個人的にとりわけ興味深く読めたのはカミュの「異邦人」を扱った論考。あの独特の乾いた文体の味わいがかなりリアルに蘇ってきた。できれば、もっとああいうタイプの文章を読みたかった。ここから記号論や構造主義への変遷の過程が気になる。2016/02/11

tamioar

0
異邦人とかゴドーとか取り上げる同時代作品がとても豪華。2020/05/17

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