• ポイントキャンペーン

大人の本棚
夕暮の緑の光―野呂邦暢随筆選

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 227p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622080817
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C1395

内容説明

端正な文体に秘めた人生への熱い思い。行間からほとばしる故郷九州の光と風。42歳で急逝、没後30年を経て再評価高まる作家の濃密な文業をここに贈る。

目次

東京から来た少女
装幀
「漁船の絵」
H書店のこと
馬の絵
小林秀雄集
フイリップ
花曜日
日記
菜の花忌〔ほか〕

著者等紹介

野呂邦暢[ノロクニノブ]
1937年長崎市生まれ。長崎県立諌早高校卒。1965年、「ある男の故郷」が第21回文學界新人賞佳作入選。翌年発表した「壁の絵」が芥川賞候補となる。1973年、第一創作集『十一月水晶』刊行。1974年、自衛隊体験をベースにした「草のつるぎ」で第70回芥川賞受賞。1976年、「諌早菖蒲日記」発表。1980年5月7日、42歳で急逝

岡崎武志[オカザキタケシ]
1957年大阪生まれ。立命館大学卒。ライター、書評家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

厩戸皇子そっくりおじさん・寺

66
近頃は野呂邦暢がミニマイブームなので、『愛についてのデッサン』読了後、こちらのエッセイ集にも手を出した。岡崎武志編なので、古本屋のエッセイや文学の随筆もしっかり入っている。野呂さんが不遇な時もどんな時も、生涯をかけて文学、音楽、映画、絵画といったあらゆる芸術に夢中であった事がひしひし伝わる1冊である。私がつくづく共感したのは、「文学はひとりでは理解できないのではないか」という意のエッセイ。感動ってアクティブなものである。「知らねえよ」と言われる事も怖れず伝えたいものである。さすが野呂邦暢、さすが岡崎武志。2019/12/19

三柴ゆよし

19
「こういう類の随筆について、私は語るべき言葉を持たない」とでも言って逃げ出したいのはやまやまだが、その手は一度使ってしまった。困った。けれど本当に、この本は言葉による感想、ましてや批評なんてものを必要としない。いくつかの箇所を読んで、それまで言葉に出来ず、あいまいなかたちをなしていたものが、ほんのすこし明瞭な輪郭を描いて立ち上がったような感触を得た。それで充分じゃないかという気がする。流れるように読めはしても、本書を読んだ経験が、すぐさま後方へ押し流されてゆくような、そうした類の本ではたぶんない。いい2011/10/03

つーさま

15
<ある本>を読むまで野呂邦暢の名を知らなかった。その<ある本>とは『昔日の客』(名著!)である。著者の関口良雄は、かつて大森で古書店を営んでいた。『昔日の客』というタイトルは、彼と野呂とのやりとりに由来している。話が脇道へと逸れてしまったが、この本も『昔日の客』の同様古本屋に関する文章が多く収められていて、それだけでも満足できる。さらに野呂が住み続けた諫早の町について書いた文章も、その地に溢れる光や土の匂いをさわやかな海風に乗せて脳内へと届けてくれる。味わい深い文章とは著者のような文章を言うのか。2013/05/28

ぱせり

12
美しいエッセイ集でした。住む家への思い、本への愛、小説を書くということ・・・しんとした文章の補色に、筆者の戦争体験(ことに原爆の)がある。一言ひとことを大切に味わう2011/05/19

きりぱい

12
随筆の名手だという呼び声と、タイトルによろめくという直感にたがわぬ内容。十代の頃には月に1冊の文庫を選びに選んだり、旅行したらその土地の記念に本を買うだとか、全国古書店地図が旅行に必携だとか、本がらみ、書店がらみの話はこたえられないうれしさ。生い立ちから居をおく諫早の話まで、「川沿いの町で」など、町の何気ない情景に、濡れた苔はおろかホウレンソウやりんごまで光を放つ。まさに光と風のと評されるだけあるきらめきと、静かなのに考え深い文体に、おもむろに心をとらわれてゆく読み心地。2010/08/21

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/418329
  • ご注意事項