大人の本棚
カフカ自撰小品集

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  • サイズ B6判/ページ数 223p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622080800
  • NDC分類 943
  • Cコード C1397

内容説明

約20年の作家活動の初期・中期・後期に、カフカ自身によって編まれた三冊の小品集『観察』『田舎医者』『断食芸人』。刊行当時「潔癖きわまるドイツ語散文によって統御された幻想」と形容された作品世界の言葉づかい/息づかいが、透き徹った訳文でよみがえる。

著者等紹介

カフカ,フランツ[カフカ,フランツ][Kafka,Franz]
1883‐1924。オーストリア=ハンガリー帝国領プラハに生まれる。プラハ大学(法学専攻)入学。在学中は劇場や文学カフェに出入りし、マックス・ブロートら後にチェコ文学界で大きな役割を担う人物たちと知り合う。大学卒業の後、地方裁判所での一年間の研修を経て、イタリアの保険会社のプラハ支店に入社。その後半官半民の労働者傷害保険局勤めと併行して小説を書きつづけた

吉田仙太郎[ヨシダセンタロウ]
1926年大阪府生まれ。京都大学文学部独文学科卒業。大阪女子大学名誉教授。関西チェコ/スロバキア協会顧問(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

77
カフカの小品は、その断片から世界から孤立した空気を感じさせられます。自らを社会から隔離し、絶望と否定の中で過ごしていたからこそ生み出される作品の数々があることを改めて気づきました。決して近づいてはいけない、でも浸りたいという想いを抱くからこそ、カフカに魅かれるものがあるのです。2018/04/18

Y2K☮

30
寓意や解釈はどうとか、わかりやすくとか実はユーモラスとか、そういうことよりもまず作品をしっかり真に受ける。文字通りに読む。カフカはそれでいいのかもしれない。あとのことは自然に頭へ浮かんでくるに任せる。特に初期作は自身の抱える孤独や未来に対する不安がよりシンプルな形で詰まっている。音楽でいうならアコギ一本の路上の弾き語りみたいだ。本書に収録されている「断食芸人」「掟の門前で」と収録されていない「判決」「流刑地にて」「変身」が個人的ベストだが、それらを集めたよりも様々な角度からカフカの創作の軌跡を辿れる名著。2023/08/02

藤月はな(灯れ松明の火)

29
カフカの新しい見方を教えてくれる『ちいさなカフカ』に触発されてカフカ作品が読みたくなり、小品集を読んでみました。「新任の弁護士」は小役人であったカフカの官僚制度への寓話が炸裂しているように感じます。特に新任の上司がアレクサンダー大王の愛馬、ブケファロスなのは「官僚=国家の働き馬」という暗喩なのかしら?「掟の門前で」は以前、読んだ時は生による死の向き合いと思っていたが、どこにいても異邦人であるユダヤ人のマイノリティとの向き合いであるという解説に目から鱗。「十一人の息子達」は頭の中にいる人格の擬人化みたいだな2016/08/20

ぞしま

12
良い。 三部のなかでも今回は一部がいっとう良かったな。 吉田仙太郎の訳で読むと、ちょっと突き放したような言い方、あるいは、断絶そのもののような物言いが時空をこえて迫ってくるような感じがして、非常に好みである。2021/04/11

メルキド出版

12
「不幸であるということ」2018/07/17

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