動くものはすべて殺せ - アメリカ兵はベトナムで何をしたか

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  • サイズ B6判/ページ数 331,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622079170
  • NDC分類 223.1
  • Cコード C0031

出版社内容情報

ベトナム戦争終結から40年。米軍による民間人殺戮の詳細が初めて描かれる。アメリカの戦争とはいかなるものか。ライデナワー報道賞

ベトナム戦争で民間人になされた、アメリカの戦争犯罪の驚くべき実態。アメリカ人はこれまで、ミライ(ソンミ村)虐殺のような残虐な事件は逸脱であり、ごく例外的な出来事だったと教えられてきた。しかし現実には、あの戦争を通じてベトナムの非戦闘員に加えられた暴力はけっして例外的なものではなく、むしろ、“動く者はすべて殺せ”という命令の下に遂行された、広汎かつ組織的な作戦だった。
国立公文書館資料の粘り強い調査や、事件にかかわった帰還兵や内部告発者、さらにベトナムの生き残り当事者へのインタビューによって、アメリカ軍と政府の政策がどれだけ多くのベトナムの無辜の住民を殺し傷つけたかを、初めて明らかにした。ショッキングな戦闘の詳細を通じて、アメリカ軍のほぼすべての部隊が、恐るべき戦争機械として避けがたく作動していたことがわかる。

本書が2013年にアメリカで刊行されるや、「パラダイムシフトを迫る画期的な戦争史」「ベトナム戦争について書かれた最も重要な本」等々と各紙誌で絶賛され、優れた調査報道に贈られるライデナワー賞を受賞した。戦後70年の節目に安保関連法案が可決されようとしている日本においても、戦争によって実際に何が起こるのか、きわめて示唆に富む一冊である。

序 作戦であって逸脱ではない
第一章 チェウアイ村虐殺事件
第二章 苦難を生むシステム
第三章 過剰殺戮
第四章 くり返された蛮行
第五章 終わりのない苦悩
第六章 バマー、“グーク・ハンター”、デルタのばらし屋
第七章 戦争犯罪はどこへ行った?
エピローグ さまよえる亡霊たち

謝辞
訳者あとがき

索引

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ころりんぱ

59
ひどく衝撃的な本です。ベトナムでのアメリカ軍上層部の基本的なスタンスは「動くものはすべて殺せ」だった。冷戦下、南ベトナム軍を支援し、共産主義から守るいう形で乗り込んだアメリカの犯した戦争犯罪、誤魔化され握り潰されてきた悪行の数々と軍の罪を明らかにし、歴史に学んでいるのか?と問いかけたい著者の執念を感じる。人種差別が根底にあるからなのか戦争だからなのか、相手も人間という気持ちは欠片もない。シロアリ駆除みたいだ。多分今だって、ありとあらゆる戦場で、人間はこんな風に残酷なのだろうと、途方にくれる。2016/06/25

GAKU

52
原題、「KILL ANYTHING THAT MOVES 」“The Real American War in Vietnam,「動くものはすべて殺せ」”アメリカ兵はベトナムで何をしたか“といっても、ベトナム兵に対してだけではありません。民間人も含めてです。アメリカのベトナム戦争犯罪の実態が赤裸々に書かれています。兵士は勿論、女性、老人、子供に対しても残虐極まりない、暴力、拷問、殺戮、強姦、輪姦、死体損壊の実態。次から次へと、アメリカ兵の残虐な悪行三昧の事実が、これでもか、これでもかと書かれています。⇒2016/05/28

おかむら

48
「朝のナパームの匂いは格別だ」。映画「地獄の黙示録」の有名なセリフですが、あのイカれた上官の蛮行作戦が特別なものでなく日常茶飯事に行われていたとは! 10年もの歳月をかけた渾身の調査で浮かび上がるベトナム戦争の真実。読み進めるのが辛かったので休み休み読んだ。そして読んでるうちに残虐行為にだんだんマヒして字面を追ってるだけの自分が怖くなる。戦争の狂気。人間の狂気。あと時間はかかったにせよ自国の犯罪をここまでキチンとさらけだすアメリカの調査報道はすごい。超激辛ノンフィクション。正直疲れた。2016/05/12

やいっち

43
毎年 8月になると、原爆や空襲、沖縄での掃討作戦などアメリカ軍の野蛮さを想う。読めば読むほど、アメリカ軍の蛮行にむかむかする。一部の兵士の単発的な暴走じゃなく、軍上層部からの一貫したベトナム人蔑視、人種差別が大量虐殺を安易に行わせている。簡単な感想を書いた: 『動くものはすべて殺せ』からインディアン悲史を想う  2016/02/01

Kazehikanai

29
蛮行の数々。ベトナム戦争におけるアメリカ軍による犯罪の記録。その隠蔽工作。それに抗う人々。勝者はいない。『動くものはすべて殺せ』というタイトル以上に残忍。吐き気がする。ベトナム人を人間と思わず貶めるこれらの行為は、人類そのものを貶めている。人類が滅んでいないのが不思議に思える。滅んだほうがいいとすら思える。人間とは何かを考えずにはいられない。個々の軍人や行為の罪。より大きな問題、システムの犯罪。いずれも罪は問われないまま。戦争と人間とシステムの恐怖。われわれはここから何を学べばいいのか。途方に暮れる一冊。2016/01/30

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