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私のもらった文学賞

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  • サイズ B6判/ページ数 162p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622078463
  • NDC分類 944
  • Cコード C0098

出版社内容情報

ドイツ語圏の文学賞を総なめにした作家が受賞前後の様子を描いた、笑いと涙と感動がないまぜになった空前絶後の自伝的エッセイ集。

小説『消去』(2004、小社刊)で日本の読者の度肝を抜き、多くのファンを獲得したオーストリアの作家トーマス・ベルンハルト(1931-1989)。文学界のグレン・グールドとも評されるまさしく孤高の作家が、総なめにしたグリルパルツァー賞やビュヒナー賞等ドイツ語圏の最高の文学賞受賞時の状況を綴った私小説風エッセーと、3編の受賞の辞。文学賞受賞の場をスキャンダルに変えその内幕を描いた、笑いと涙と感動がないまぜになった空前絶後の書である。

グリルパルツァー賞/ドイツ産業連盟文化栄誉賞/自由ハンザ同盟ブレーメン文学賞/ユーリウス・カンペ賞/オーストリア国家賞文学部門賞/アントン・ヴィルトガンス賞/フランツ・テオドール・ツォコール賞/国家経済賞文学賞/ビュヒナー賞/スピーチ集3篇と退会の辞/編者付記/訳者あとがき

内容説明

小説『消去』で日本の読者の度肝を抜き、多くのファンを獲得したオーストリアの作家ベルンハルト。文学界のグレン・グールドとも評される孤高の人が、総なめにした文学賞受賞時の状況を綴った自伝的エッセー。笑いと涙と感動がないまぜになった、空前絶後の書。

目次

私のもらった文学賞(グリルパルツァー賞;ドイツ産業連盟文化栄誉賞;自由ハンザ都市ブレーメン文学賞;ユーリウス・カンペ賞;オーストリア国家賞文学部門賞;アントン・ヴィルドガンス賞;フランツ・テオドーア・チョコーア賞;連邦商工会議所文学賞;ビュヒナー賞)
スピーチ集(自由ハンザ都市ブレーメン文学賞授賞式のスピーチ;オーストリア国家賞文学部門賞授賞式のスピーチ;ゲオルク・ビュヒナー賞授賞式のスピーチ;退会の辞)

著者等紹介

ベルンハルト,トーマス[ベルンハルト,トーマス] [Bernhard,Thomas]
1931‐1989。オランダのマーストリヒト近傍に生まれる。1957年に詩集『地上にて地獄にて』でデビュー。20世紀のオーストリア文学のみならず世界文学を代表する作家・劇作家である

池田信雄[イケダノブオ]
1947年東京に生まれる。東京大学名誉教授。ドイツ文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

harass

65
『消去』の著者によるエッセイ。私小説のように、彼の受賞した文学賞9本のそれぞれ当時の状況と受賞時のことを語る。ケンカを売る彼の姿勢と激しく反応する評判など。文学的な権威や体制への嫌悪感を隠さない彼は、賞よりも賞金のほうが大事だと豪語する。授賞式の発言で同席の大臣を激怒させたりとお騒がせ。この作家入門として読みやすい一冊。図書館で借りたが、田舎では自分ぐらいしか借りないのだろう…… 紐しおりがそのままだった。よくあることだが……2016/10/16

かもめ通信

28
著者自身が1960年代から70年代初めにかけて次々と受けた9つの文学賞をテーマに書き上げたエッセーを収録。あの賞、この賞に対して、その舞台裏をも紹介しながら辛辣な言葉を書き連ねながら、それでも各賞についてくる賞金を拒むことができない懐事情にも言及する。いつも授賞式に駆けつけてくれる叔母さんとの温かなやりとりや、合間に合間に見え隠れする自伝的なあれこれも読み応えがあり、それらが作家の執筆した作品への興味をもたらしもする。文壇の舞台裏をくさしながらも、独特のユーモアに貫かれた面白い1冊だった。2021/09/06

三柴ゆよし

17
先日読んだ『ふちなし帽』は駄作だったが、本書はすごくよかった。タイトル通り、ベルンハルトが受賞した九つの文学賞にまつわる回想及びスピーチ原稿を収録したもので、要するにベルンハルトは文学賞とか文壇に類するものが大嫌いなのだが、とはいえ人間、口を糊せずには生きていけないから、賞金目当てにしぶしぶ出掛けていってはやはりというか不愉快な事態に遭遇し(たまにはいいこともある)愚痴を垂れる。一度など、受賞スピーチの場で当時の文化大臣をマジギレさせているのだから筋金入り(そのときのスピーチもちゃんと収録されています)。2016/03/19

atomos

14
トーマス・ベルンハルトの文学賞メッタ斬り!なんでエッセーが先に訳されるのかなとは思ったけど、容赦ないベルンハルト節は結構笑えるし、自伝的内容も含まれてて人となりがよく解ったからいいや。とりあえず本書に何度も出てくる『霜』は読みたいよ。つか、どっかからベルンハルト全集出ないかなあ。2014/07/22

ぞしま

9
私はこの作品に対して語る言葉を持ちません。素晴らしかった。余計な言葉は要らないと思います。白眉は、というより絶頂(しかも冷ややかな絶頂とでも形容したい)のは、終わりを告げた「メルヒェン」とわたしたちが呼び寄せた「澄明さ」とそれと共に「寒さ」が募る…という冒頭のスピーチ。月並みな表現だが、頭をトンカチで叩かれたような衝撃だった。その衝撃は、大きな広がりを茫漠と宿していながらも、奇妙な覚醒感を醸す。最高でした。2016/02/16

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