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ミシンと日本の近代―消費者の創出

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  • サイズ B6判/ページ数 348,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622077701
  • NDC分類 582.1
  • Cコード C0021

出版社内容情報

シンガーミシンの日本席巻から60年代の国産品巻返しまで、ミシンが目撃した和装→洋装、割賦制度、戦争など、消費者から見た歴史

ミシンという具体的なモノを通すと、社会・技術・文化の変遷はどう見えるか。日本の家庭に入った第一号ミシンは、ジョン万次郎の母親へのみやげもの。そして1920年頃になると、アメリカのシンガー社がグローバル企業として進出、無敵の存在になる。割賦制度も確立。ただし和装から洋装への変化は戦争で決定的になった。一方、シンガーが後退すると、国産ミシンの隆盛、フェミニズムの台頭、繁盛する洋裁学校、既製服の時代がくる。1960年代まで、消費者側から見た、画期的な歴史。

序論・第一部 日本におけるシンガー(明治期のミシン/アメリカ式販売法/近代的生活を販売し消費する/ヤンキー資本主義に抵抗する)・第二部 近代性を縫う 戦時と平和時(銃後の兵器/機械製の不死鳥/ドレスメーカーの国)・結論

内容説明

日本の家庭に入った第一号ミシンは、ジョン万次郎の母親への土産物だった。そして1920年頃までには、アメリカのシンガーミシンが無敵の存在になる。独特の販売システムを確立し、割賦制度も浸透させた。太平洋戦争は「もんぺ」をきっかけに、洋装への移行を一気に加速させた。そして戦後になると、「内職」にミシンを「踏む」女たちの意識は、1950‐60年代以降の「中流意識」の膨張に連動していく。ミシンはこの多種多様な「近代」という経験を、すべて見ていた。一つの「モノ」に即して、消費者の側から、経済・社会・文化を語る画期的な歴史。

目次

第1部 日本におけるシンガー(明治期のミシン;アメリカ式販売法;近代的生活を販売し消費する;ヤンキー資本主義に抵抗する)
第2部 近代性を縫う―戦時と平和時(銃後の兵器;機械製の不死鳥;ドレスメーカーの国)

著者等紹介

ゴードン,アンドルー[ゴードン,アンドルー] [Gordon,Andrew]
1952年ボストンに生まれる。1984年ハーバード大学で博士号取得。デューク大学教授を経て、1995年以降ハーバード大学歴史学教授。1998‐2004年と2011‐2012年、同大学エドウィン・O・ライシャワー日本研究所所長。専攻、日本近現代史、とくに労使関係史、政治経済史、社会史

大島かおり[オオシマカオリ]
1931年に生まれる。東京女子大学文学部卒業。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

えちぜんや よーた

90
山形浩生さんの書評があったので読んでみた。すべては現代に通じる話なので、とても興味深い。装丁を見ていると「日本のモノづくりガー」とかいう感じなのかと思ったが、そんな単純な話ではない。物販・割賦制度・生産・消費・労働・ジェンダー論など、複雑に絡み合って日本の近代化が出来上がっているのがよく分かる。日本史の授業で高校生に読んでもらってもいいのではないか?『山形浩生 の「経済のトリセツ」』→http://d.hatena.ne.jp/wlj-Friday/201403062014/04/14

Koning

15
ジョン万次郎の母へのお土産からはじまったらしい日本の家庭へのミシンの導入と日本の近代化、そして日本の女性の社会進出史とでもいうべき、ミシンを軸にした日本近代史。シンガーの世界制覇と日本上陸から始まって大正時代の労働争議なんて言うある意味歴史の教科書的な流れと共に和服から洋服へ、自家裁縫から既製品大量消費への橋渡しとでも言うべき洋裁の歴史、文化服装学園とドレメの大ブームとか(ウチにもありましたな、ドレメの型紙とか)。(続く2014/03/16

陽香

2
201307232019/04/10

arnie ozawa

2
これは驚きの面白さ。ミシンを通しての日本近代史とか日本における欧米受容の歴史とか女性の解放と自立とかが目ウロコで描かれる。なるほど、と膝を打つエピソードも山のよう。全然違う話と思われるだろうけど、この本を読むと音楽や文学で世界を変えることはできない、などと云うしたり顔の意見が嘘っぱちだと判る。だってミシンだって世界を変えたんだから。2014/04/04

Coconuts725

2
生産財と位置付けたミシンを信用販売で売るというところは、マイクロクレジットと似ている部分があるなと思った。途中出てくるミシンで成功した女性の声もマイクロクレジットで成功した女性の話と似た響きがある。飛びつきやすい結論に飛びつかず、用心深く考察が進められていくので、面白く、新しく知ったことが本当に多かった。シンガー社員の経営戦略を推測するだけでも興味深い。2014/04/01

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