内容説明
ES細胞のねつ造など、続発する深刻な研究不正事件。どうして抑止できない?なぜ虚偽がまかりとおる?根本要因の指摘から対応策まで、科学界へ問題提起。
目次
第1部 なぜ発表倫理か(発表するか、それとも死か―パブリッシュ・オア・ペリッシュから特許で成功へ;公正な科学研究が私たちの生活を支える)
第2部 発表倫理はいかに破られたか(求められたヒーロー―ベル研究所シェーン事件;一番をめざす―Nature Medicine論文のねつ造;私は不正な実験に関与していない―ES細胞ねつ造事件;成果へのプレッシャー―ポールマン事件)
第3部 発表倫理を脅かすもの(インパクトファクターで研究者を評価できるか;なぜ著者サインを偽造したのか;なぜ私の論文が盗用されたのか―不正行為にはたす編集者の役割)
第4部 発表倫理をどう確立するか(オーサーシップ―著者になるのは誰か;レフェリーシステムを再構築する;不正行為を考える―スキャンダル・アプローチでなく)
著者等紹介
山崎茂明[ヤマザキシゲアキ]
1947年東京生まれ。早稲田大学第一文学部(社会学)卒業。慶應義塾大学大学院図書館・情報学専攻博士課程満期退学。図書館情報学博士(愛知淑徳大学)。愛知淑徳大学文学部教授。専門は、科学情報メディア論と科学コミュニケーション(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ハルトライ
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今コレを読まなくてどうする。という内容。STAP細胞をめぐる様々な騒動に関心のある人は、必ず一読すべきものではないかと思う。ヘンドリック・シェーンや、ES細胞に関することなど、まさにタイムリーすぎる一冊かなと。2014/03/21
りつか
0
事例がたくさん出てきたので,「何がいけないのか」「どうしていけないのか」がわかりやすかったように思う。【tkb】2012/09/22
mieken
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論文発表を通して研究成果は専門領域の進歩に寄与し、社会へ応用されていく。新聞やTVで研究の不正が報道されている。競争の激しい世界で倫理的にやっていく難しさが見えてきた。2018/01/30