トラウマの声を聞く―共同体の記憶と歴史の未来

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  • サイズ B6判/ページ数 251p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622072188
  • NDC分類 146.1
  • Cコード C1010

内容説明

語れば語るほど戦争の本質が見えなくなるのはなぜか。共同体に刻まれたトラウマ記憶への洞察を来たるべきエシックスに架橋する、9・11以降の歴史の解読法。

目次

1 トラウマ(PTSDをめぐる時間の旅―忘れられたものからの声;トラウマという場所―われわれは現実界との出会いを希求しているのだろうか;集団のトラウマという発見―『モーセと一神教』と埋葬された記憶;「真の他者」の出現―テロリズムと共同体の記憶)
2 ジェノサイド(「俺じゃない、エイハブはあいつだ」―ジェノサイドの欲望が宿る場所;「自由の帝国」と表象の全体主義―言葉のジェノサイド;ジェノサイドと核―核と抑止のレトリック)
3 エシックス(遠くから殺す/近くから書く―モダニズム国家と「ヒロシマ」;国家が殺されて歴史言説が誕生する―アンティゴネーがもたらすエシックス;エシックスの囁き―デリダの正義の在るところ)

著者等紹介

下河辺美知子[シモコウベミチコ]
成蹊大学文学部教授。文学批評理論およびアメリカ文学・アメリカ文化(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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再読。象徴界の彼岸に存在し、象徴界の中に「穴」として出現する<現実界>(=「前象徴的」)は「象徴界が捕捉できない剥き出しの<生>が充満している」(=「『死の欲動』と『生の欲動』とが二つそろってわれわれを誘惑する」)がゆえに、例えそれが「死」とあまりにも近づきすぎている恐ろしいものでも我々はそれを希求してしまうことになる。しかし、<現実界>は我々に「偶然の一撃」(不意打ち)という形でしか到来しない。「〈現実界〉があまりにも近くにあったという事実」による衝撃こそがトラウマの空間的打撃を構成する。2016/11/20

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