内容説明
権力の暴走、組織の腐敗、社会の歪み、犯罪・事件の背景、戦争とテロ、教育問題、災害支援。現在の政治に対する批判精神を存分に刺激する時評エッセイ集。『背後にある思考』の続編。
目次
ＰＴＳＤの誤解と濫用
メコンの夕暮れ
教育基本法改悪の倒錯
戦争と報道をめぐる言論
「愛の市場」
懲罰から教育へ
心神喪失者医療観察法案
「チベットの女」
北京の医師家族
ネット自殺〔ほか〕
著者等紹介
野田正彰［ノダマサアキ］
１９４４年、高知県生まれ。北海道大学医学部卒業。長浜赤十字病院精神科部長、神戸市外国語大学教授などを経て、２００４年度より関西学院大学教授。専攻は比較文化精神医学。主な著書に『コンピュータ新人類の研究』（文藝春秋、１９８７年、大宅壮一ノンフィクション賞）『喪の途上にて』（岩波書店、１９９２年、講談社ノンフィクション賞）など（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
naof
1
時評が好きです。特に少し前の時代のはハッとさせられることが多いのでたまに無性に読みたくなるけど、大体絶版で、古本屋でたまたま見つけたものを読んでみるケースが多い。 古本屋で直感的に買ったこの本は本当に気づきが多かった。 文体にも著者の優しさが溢れ出ている。 甘ったるい優しさでなく、噛むと苦味と渋みが広がるような、薬のような優しさ。 時評にも、ただ大勢を批判するだけのものや厭世観しか感じないものもある中、小勢とされるものへの愛情が見て取れ、すごく良い読書体験でした。2020/12/05
