内容説明
2003年3月イラク戦争前夜からロンドン同時多発テロ事件まで55通。この困難の時代に、現場取材と時局分析を届けつづけた朝日新聞ヨーロッパ総局長の報告集。
目次
「予告された殺人の記録」
「情事の終り」
「静かなアメリカ人」
「開かれた社会とその敵」
「百年の孤独」
「正統とは何か」
「荒地」
「すばらしい新世界」
「血の婚礼」
「イングリッシュ・ペイシェント」〔ほか〕
著者等紹介
外岡秀俊[ソトオカヒデトシ]
1953年札幌市に生まれる。1977年東京大学法学部卒業。同年朝日新聞社入社。現在、朝日新聞ヨーロッパ総局長
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感想・レビュー
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踊る猫
24
傍観者とはまた、『ベルリン・天使の詩』を思わせる立場だ。だがここで見られる彼のスタンスは決して高みに立った場所から御高説を開陳するだけに留まらず、真に庶民(そしてこう言って良ければ「弱者」)の視点に寄り添うものとして結実していると感じられる。それは彼が自分の正しさに固執せず、むしろ様々な文物(書物や映画)に触れて新鮮な感覚で自分の思考を刷新/ヴァージョンアップし続けてきたからではないかと思う。彼の生き方/書き方はそのまま、一個の運動体のそれとして読めるのではないか。良質なリベラルの知識人が書いた文章に酔う2022/09/18
麺
1
朝日新聞ヨーロッパ総局長として2003年からロンドンに駐在した著者が、自身の日々の取材や現地紙の分析を手紙の形で書き残したもの。著者は「現代にあえて電子メールでなく手紙で情報を伝える意味」を掲げながら、手紙で書き記す対象をその都度背後にある歴史や芸術と関連付けて語る。また、ブレア首相を中心とした英政界に対する所感も楽しい。 いかにもなインテリ臭に鼻白まないこともないのだが、色んなことを知ってるっていいなあ……という単純でポジティブな気持ちになった。2019/08/12
Miyako Fukushima
0
知的度指数100の本。
ここあ1127
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読了。冒頭の季節の挨拶の美しさが逸品。ここだけでも読む価値あると思う。2013/02/05