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灰色の魂

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  • サイズ B6判/ページ数 262p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622071143
  • NDC分類 953
  • Cコード C0097

内容説明

凍えるような冬の川辺に美少女の死体が上がった。戦下の小さな町を舞台に絡まりあう人間模様。フランス読書界を驚嘆させた哀切きわまりないベストワン小説。

著者等紹介

クローデル,フィリップ[クローデル,フィリップ][Claudel,Philippe]
1962年フランスのロレーヌ地方に生まれる。作家・脚本家。小説『忘却のムーズ川』(1999)でデビュー、その後も『私は捨てる』(2000年度フランス・テレビジョン賞)『鍵束の音』(2002)など着実に作品を発表してきた。昨年、『灰色の魂』によって三つの賞を受賞、いまや大いに注目を浴びている。ナンシー大学で文学と文化人類学を教えている

高橋啓[タカハシケイ]
1953年北海道に生まれる。翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

metoo

63
第一次大戦、ドイツ近くのフランスの田舎町、10歳の美しい少女が殺された。謎解きのようなスタイルを取りながらも、事件が目の前で起きたにも拘らず、結局のところ無力に終わり、大切な人までも失ってしまった警官の一人語りだ。城に住む検察官は妻を若くして亡くし、若く美麗な教師は謎の死を遂げる。ブーラッシュは娘を亡くし、そして、表紙絵に予告された通りの結末だが、それは決定的な悲哀というよりむしろ必然。戦争も、大切な人を亡くした人も、全てが灰色、魂までも。2017/07/01

ヘラジカ

8
「低き声で語れ」――装丁もさることながら帯のキャッチコピーがとても良い。この宣伝文句に惹かれる読書家は少なくないはず。読み終えた直後放心するくらい響いた小説だったが、敢えて感想は時間をおいてみた。やはり今も依然として、あの灰色がかった情景は心にこびりついている。灰色、文章も物語も舞台も、結末さえも灰色一色。黒でもなく白でもなく、一見して心愉しいエピソードすらも、全て灰色の靄で覆われている。印刷された単なる黒い文字が、読む者には紛う事なき一色の色として認識される凄さ。一文一文ここまで無視できない小説も珍しい2013/07/23

umeko

5
暗澹とした思いに圧倒される。物語の重い灰色の雰囲気も好き。何かの機会に再読したい。2010/07/14

yuki

4
帯にあるように、本当に「哀切」な物語でした。戦争の影に覆われる中で、登場する人物たちがすべて「灰色」です。罪を犯し罪を隠して生きた人たち。重層的に描かれる人間の姿を追いながら最後まで一気に読みました。2020/02/17

刳森伸一

2
戦争や殺人事件が起こるのだが、世界は不思議と静寂で灰色。人々の醜さが際立つがなぜか物語は美しいとさえ感じてしまう。滅びの美学に近しい何かがある。2014/06/18

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