出版社内容情報
-永遠への郷愁-
「タルコフスキーが書いたテクストを読むと、その文章や思想は、思考の過程や表現の手法が直截的かつ図式的で、自分の思想の正当性を疑っていない。(…)タルコフスキー映画は、これらのテクストに比べて、格段に豊かである。(…)タルコフスキーは、映画によって、よりよく思索した作家なのだ。」(本書より)
アンドレイ・タルコフスキーは『イワンの子供時代』(『僕の村は戦場だった』)で長編デビュー、その後『アンドレイ・ルブリョフ』『惑星ソラリス』『鏡』『ストーカー』を旧ソ連で、ヨーロッパで『ノスタルジア』『サクリファイス』を作り上げたところで、1986年、パリに客死した。
多いとは言えないこれらの映画は、作家の没後も、見る者に強く静かな衝撃を与えてやまない。難解といわれ、宗教的といわれながら、イメージの叙事詩として開かれた世界の魅力はどこにあるのか?
新しい世代にとってタルコフスキー映画は、現実世界との対話の方法を見つける一規範になるかもしれない、と考える著者は、年来の研究をもとに全作品の技法とテーマ展開を精緻にたどりつつ、来るべき時空への思いをこめてこの一冊を書いた。
馬場広信(ばば・ひろのぶ)
1964年東京生まれ。1987年早稲田大学第一文学部卒業。映画研究、翻訳。日本アンドレイ・タルコフスキイ協会代表を経て、現在アンドレイ・タルコフスキイ出版会代表。主な仕事に、『アンドレイ・タルコフスキイ 『鏡』の本』の監修ならびに翻訳(宮澤淳一との共訳、リブロポート、1994年、シナリオ採録も)。論文「ロバート・クレイマー――ある合衆国ユダヤ系監督の20世紀」(『ユダヤ・イスラエル研究』第18号)、「『Notre Nazi/Unser Nazi』とヨーロッパ三部作――ヨーロッパにおけるロバート・クレイマーの現実と歴史」(『山形国際ドキュメンタリー映画祭2001 スペシャルイベントカタログ――ロバート・クレイマー特集』)など。
内容説明
アンドレイ・タルコフスキーは『イワンの子供時代』(『僕の村は戦場だった』)で長編デビュー、その後『アンドレイ・ルブリョフ』『惑星ソラリス』『鏡』『ストーカー』を旧ソ連で、ヨーロッパで『ノスタルジア』『サクリファイス』を作り上げたところで、1986年、パリに客死した。多いとは言えないこれらの映画は、作家の没後も、見る者に強く静かな衝撃を与えてやまない。難解といわれ、宗教的といわれながら、イメージの叙事詩として開かれた世界の魅力はどこにあるのか?新しい世代にとってタルコフスキー映画は、現実世界との対話の方法を見つける一規範になるかもしれない、と考える著者は、年来の研究をもとに全作品の技法とテーマ展開を精緻にたどりつつ、来るべき時空への思いをこめてこの一冊を書いた。
目次
01 イメージの論理
02 『ローラーとバイオリン』まで
03 『イワンの子供時代』(『僕の村は戦場だった』)
04 『アンドレイ・ルブリョフ』
05 『惑星ソラリス』
06 『鏡』
07 『ストーカー』
08 『ノスタルジア』
09 『サクリファイス』
10 タルコフスキー映画の二一世紀
感想・レビュー
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林 一歩
D21 レム