出版社内容情報
国家の観念について新しいパースペクティブを開く独創的な試み。実力、権力、権威、三つの視点から国家を考察。国家の本質を考究した名著。<初版1972年>
内容説明
本書は、人間の政治的運命にとって最も基本的な国家の観念について、新しいパースペクティヴを開く独創的試みである。著者は、国家に対するアプローチの三つの視角―実力・権力・権威―を厳密に区別する。それにより、ギリシアから現代にいたる学者・法律家・哲学者の国家の観念に鋭い分析の刃があてられるのである。実力を法に、恐怖を尊敬に、強制を同意に―必然を自由に、と変形させうるのは、いったい何であるか。本書は、この実力が権威になるまでの神秘的な過程に、初めて国家の本質を考究した名著である。
目次
第1部 実力(トラシュマコスの議論;現実主義と悲観主義;新造語としての“国家” ほか)
第2部 権力(人による統治と法による統治;国家と法―基本的観念;法の支配 ほか)
第3部 権威(法と秩序;自然と人為;祖国と民族 ほか)
著者等紹介
ダントレーヴ[ダントレーヴ] [d’Entr`eves,Alexander Passerin]
1902‐1985。北イタリアのトリーノに生れる。トリーノ大学の国際法教授、オックスフォード大学のセレナ講座担当のイタリア学教授を勤め、イエール大学の哲学部および法学院、ハーヴァード大学においても講義。トリーノ大学政治理論教授。1985年没
石上良平[イシガミリョウヘイ]
1913年に生れる。1936年東京大学経済学部卒。1949年から1967年まで成蹊大学政経学部教授。1982年に没す(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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