やきもち焼きの土器つくり (新装)

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  • サイズ B6判/ページ数 315,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622049043
  • NDC分類 164.5
  • Cコード C1010

出版社内容情報

南北アメリカ神話に土器つくりの起源を追い、フロイト批判にもおよぶ著者の神話分析の到達点。

内容説明

本書の主題は、料理の火が存在すればそれに必ずともなう土器つくりの火と、焼成される土器の起源である。この主題が三つの方向から探究される。第一に、南北アメリカの遙かに隔たった地の諸神話に見られる構造的・内容的類同性、第二にインディアン神話に見られる動物群の神話的意味、そして第三に象徴的思考をめぐる神話の構造分析とフロイトの精神分析の視点の違いである。自然から文化への移行の秘密を探り、読者の知的愉しみを満喫させる一冊。

目次

職人仕事のあり方と結びついた性格の特徴
ヨーロッパの例
職業分化のないところでは、このような結びつきは異なった規準にしたがう
ヨーロッパの俗信には土器作りがとりあげられていない
本書はそれをどう補い、説明しようとするか
とりあげる問題の列挙
ヒバロ族の神話とその異伝
『形の定まらぬもの』の理論
女と土器作り
本書の第一の主題の提示〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

roughfractus02

5
「神話論理」では自然を文化に移す火と料理に焦点があてられたが、本書では料理に必要な土器づくりに従事した女性が注目される。彼女らが嫁入りのために移動したネットワークの痕跡を土器に見る著者は、自然/連続群の代表の土と文化/離散群に移行させる火/変換群の間にあって、土をこねる女性を交換する諸部族と彼らが行き交う大地の関係を神話群に見る。その背景には象徴解読を性欲のコードに限定したフロイト批判がある。口が裂けたヨタカと糞をしないナマケモノの関係では、口唇性/肛門期の分析より複雑な諸コード間の関係の読みを要する。2018/08/15

しいかあ

2
ややこしい。ヨタカのイメージが変転しまくって最終的には一本の筒になってしまうのだけれど、あっちこっち振り回されて迷ってしまう。地図に場所をプロットして、登場する動物をメモるとかしたほうが良かったかも。構造分析って精神分析みたいなもんじゃないかと思ってたが、実際の精神分析でも「各個人の個人史、家族状況、社会状況の歴史、文化などの再構成を目指す相対的な試みの中で、あまりに一面的な自由連想法の使用を、それにふさわしい範囲にとどめる」(P262)ように行われているので、実態としてはさほどの違いはないように思える。2017/08/02

とまる

2
訳のおかげというか、なんか題名が絵本みたいに可愛い。ヨタカと女性と火と土器と。周辺地域の神話の差異と共通点と。いままで知らなかった物語が自分の中に流れてくるごとに、バラバラに存在していたものが繋がっていく。偶然居合わせたものを繋げて、必然にしていくその様子は 昔の人が作った星座にも似ている。2012/05/16

misui

2
初めてのレヴィ=ストロース。終始振り回されっぱなしだったがどういうものなのかは確認できた。南北アメリカの神話を渉猟し、土器つくりに自然から文化への移行を見ることで、地下・地上・天上の宇宙観や壺と身体の弁証法などの神話的思考をたどっていく。最後にはフロイトの精神分析批判も。がつがつと知識を得ようとするよりは神話に浸るようにして読むほうがよさげ。入門書でも読んで腰をすえて取り組もう。2011/06/17

esehara shigeo

1
土器作りという観点から責めた作品であり、最初の所は「よくある二項対立と媒体の話ね」と思っていたら、ナマケモノが出て来たら突然の糞尿話になり、肛門と口唇欲望という野生の精神分析の話になり、そして何時の間にか原初的なデジタル論理演算思考になり、そして嫉妬概念の分析と、なんというかこれ自体が神話というかSFという、そういった面白さがある。あとがきでも、本人は「これはもう一つの神話だよね」と言っていた。神話を考えるという事は、神話と共に考え、神話みたいなことを平然と言ってのける胆力であると教えてくれる本。2019/06/10

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