外山滋比古著作集〈6〉短詩型の文学

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  • サイズ B6判/ページ数 348p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622048565
  • NDC分類 081.6
  • Cコード C1395

出版社内容情報

ひとむかし前のことになるが、桑原武夫の書いた「俳句第二芸術論」なる論文が一大猛威をふるったことがある。これは種本があって、彼はイギリスの学者I・A・リチャーズの『実践批評』のテクストを下敷きにしていたのだが、そんなことは俳人たちの知らぬことであった。彼らはその単純な近代的な論理にむきになって反抗したが、どうも景気のいい堂々たる反論はできなかったようである。

本巻のテーマは、この事件を契機にして、著者によって構想・追求された<反=俳句第二芸術論>である。俳句を成立させている肝心要の、切れ字や季語、添削と結社など、世界に類を見ない、その日本独自の特性を明らかにし、西欧の近代的リアリズムに優る方法として俳句的表現を称揚する。芭蕉・子規から現代俳句までを渉猟し、読者の立場から俳句の特性を追究してゆく姿勢はまことにスリリングである。俳句を中心に、ひろく日本語の表現・論理を考察した刺激的な論攷。

外山滋比古著作集 全8巻・第7回配本


外山滋比古(とやま・しげひこ)
1923年愛知県に生まれる。1947年東京文理科大学英文科卒業。同大学特別研究生修了。1951年「英語青年」編集長。ついで「英語文学世界」「月刊ことば」を創刊、編集。その間、1956年東京教育大学助教授、お茶の水女子大学教授。1962年、文学博士。1989年お茶の水女子大学名誉教授、昭和女子大学教授。1999年同大学退職。『修辞的残像』『近代読者論』により文学における読者論の方法を提唱、『シェイクスピアと近代』でその実践をしめす。さらに、否定的に扱われてきた異本の意義に着目、その積極的機能を考察、『異本論』から『古典論』へと展開。これとは別に、日本について『日本語の論理』、俳句にかんして『省略の文学』『俳句的』などを発表。同時に折にふれてエッセイを書いた。

内容説明

俳句は第二芸術なのか?切れ字論を核にして俳句的表現の特性を明らかにし、読者の立場から俳句文芸のアポロギアを試みる。五七五の美学を定立した名論考。

目次

1 省略の文学(切れ字;省略の文学―切れ字論;俳句における近代と反近代 ほか)
2 俳句的(通俗の論;封建的;名実を忌む ほか)
3 短詩型文学(翻訳文化と詩の言葉;詩の真実;きょうめい ほか)

著者等紹介

外山滋比古[トヤマシゲヒコ]
1923年愛知県に生まれる。47年東京文理科大学英文科卒業。同大学特別研究生修了。51年雑誌「英語青年」編集長。ついで「英語文学世界」「月刊ことば」を創刊、編集。その間、56年東京教育大学助教授、68年お茶の水女子大学教授。89年同大学名誉教授、同じく昭和女子大学教授。99年同大学退職。62年文学博士
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