「哲学」と「てつがく」のあいだ―書論集

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  • サイズ B6判/ページ数 284p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622048121
  • NDC分類 019.04
  • Cコード C1095

出版社内容情報

「作者、読者、あるいは主題……。そのどの地点へも言葉を収斂させないこと、どの地点でも言葉を停滞させないこと。作者への密かな手紙、批評あるいは感想、評価あるいは紹介などという湿地帯から遠く遠く離れた地点で、あるいは砂漠のなかで、言葉を拾いはじめること」。

ファッション批評の新たな地平を開いた『モードの迷宮』、ベストセラー『「聴く」ことの力』などで知られる著者初の書評集である。といっても、過去十年ほどの間に各誌紙で発表された書評をキーワード別に厳選したばかりか、読み継がれるべき古典や年来の愛読書、日々の読書について綴られたエッセイ、さらに人と書物の関わりを探る論考も収めた本書は、やはり副題が示すように「書論集」というほかはない。

「この人、読んで」でとりあげられるのは、伊東忠太、九鬼周造、松田道雄、鶴見俊輔、木田元、木村敏、筒井康隆、村上龍、港千尋ほか総勢18名。これら著者をめぐり、それぞれの作品群に則して、しなやかに思考を共振させていくスタイルは、そのまま「臨床哲学」、「聴くこと」としての哲学のあり方を示すものとなっている。書の海の羅針盤となる1冊。

鷲田清一(わしだ・きよかず)
1949年京都市に生まれる。京都大学文学部卒業、同大学院文学研究科博士課程修了。関西大学文学部教授を経て、現在 大阪大学大学院文学研究科教授。専攻は臨床哲学。著書『分散する理性――現象学の視線』(勁草書房、1989、増補改題『現象学の視線』講談社学術文庫、1997)、『モードの迷宮』(中央公論社、1989/ちくま学芸文庫、1996。以上の2著にて1989年サントリー学芸賞受賞)、『夢のもつれ』(北宋社、1993)、『人称と行為』(昭和堂、1995)、『見られることの権利――〈顔〉論』(メタローグ、1995/改題『顔の現象学』講談社学術文庫、1998)、『メルロ=ポンティ 可逆性』(講談社、「現代思想の冒険者たち」第18巻、1997)、『「聴く」ことの力――臨床哲学試論』(TBSブリタニカ、1999、第3回桑原武夫賞受賞)、『皮膚へ――傷つきやすさについて』(思潮社、1999)、『ことばの顔』(中央公論新社、2000)、『〈弱さ〉のちから』(講談社、2001)ほか。

内容説明

『「聴」くことの力』『モードの迷宮』の著者が、この十年に綴った本にまつわるエッセイをキーワード別、作家別に厳選。書の海のこよなき羅針盤となる1冊。

目次

“本”と哲学
わたしの偏愛書
このひと、読んで。
この本、読んで。
紙のわたしにいつなれる?

著者等紹介

鷲田清一[ワシダキヨカズ]
1949年京都市に生まれる。京都大学文学部卒業、同大学院文学研究科博士課程修了。関西大学文学部教授を経て現在、大阪大学大学院文学研究科教授。専攻は臨床哲学
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