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魔王〈上〉
原書名:LE ROI DES AULNES(Tournier,Michel)

トゥルニエ,ミシェル【著】〈Tournier,Michel〉 植田 祐次【訳】
みすず書房 (2001/07/23 出版)

238p / 19cm / B6判
ISBN: 9784622048084
NDC分類: 953

価格: ¥2,415 (税込)
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詳細

「1938年1月3日。
あんたは人食い鬼よ、ラシェルはときどきおれにこう言ったものだ。
人食い鬼だと?
つまり太古の闇から立ち現れる妖怪だと言うのか?
なるほど、おれは自分の魔性を信じる。
言ってみれば、深いところでおれの個人的運命を事物の流れにまき込み、そいつがおれの運命を自分の方向に傾斜させるのを可能にする、あのひそやかな黙約のようなものをおれは信じているのだ。
」近視の大男、パリでガレージを営むアベル・ティフォージュは左手の=不吉な手記をこう始めた。
子供たちの姿や声を収集する孤独なティフォージュは、ある日少女暴行の嫌疑をかけられ拘留される。
彼が釈放されたのは、奇妙な戦争の開始のおかげであった。
そして次々に符合する運命のしるしが主人公を思いもよらぬ世界に運んでいく…。

ドイツ軍の捕虜となり森と動物になじんだ彼にとって、ロミンテン禁猟区への移動は、さらなる導きとなった。プロイセンの森の奥深く、そこで見たのは帝国狩猟頭ヘルマン・ゲーリングの宮殿。鹿を狩り、ライオンと共に肉を食らうその姿に、人食い鬼たる自らの本質を感じつつ、さらなる太古の世界に向けてティフォージュは旅する……。ついに到達したカルテンボルン城は少年戦士を養成するナポラで、ナチズムの核心を体現する場所だった。

ソ連軍の猛攻に崩壊寸前のドイツ第三帝国、その中で死んでいく少年たち、ティフォージュはとうとうしるしの意味を知らされる。

☆ 20世紀の戦争を描く文学において『ブリキの太鼓』とならび不動の位置を占める幻想小説の傑作。
  全2巻(上下) 同時発売

☆ 映画『魔王』
  ジョン・マルコヴィッチ主演/フォルカー・シュレンドルフ監督
  音楽:マイケル・ナイマン/脚本:ジャン=クロード・カリエール

◇怖さが激しいほど面白いとさえ思ってしまう。−by「興味深い映画の原作本」(フィガロジャポン2002.8)

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Michel Tournier(ミシェル・トゥルニエ)
1924年パリに生まれる。ラジオ局、出版社に勤めたのち、『フライデーあるいは太平洋の冥界』(1967、邦訳1982、岩波書店)で作家となる。その後、本書をはじめとする作品を次々に発表し、現代フランスを代表する文学者でありつづけている。長編小説『メテオール(気象)』(1975、邦訳1991、国書刊行会)『オリエントの星の物語』(1980、邦訳1983、白水社)『黄金のしずく』(1985、邦訳1996、白水社)、中篇小説『聖女ジャンヌと悪魔ジル』(1983、邦訳1992、白水社)、短篇集『赤い小人』(1978、邦訳1979、早川書房)『愛を語る夜の宴』(1989、邦訳1992、福武書店)、知的自伝『聖霊の風』(1977、邦訳1986、国文社)、エッセー集『海辺のフィアンセたち』(1986,邦訳1998,紀伊国屋書店)ほか児童書も多い。

植田祐次(うえだ・ゆうじ)
1936年旧満州営口に生まれる。早稲田大学大学院博士課程中退。18世紀フランス文学専攻.青山学院大学文学部教授。著書『フランス文学史』(共著、白水社)『フランス文学にみる愛のかたち』(共著、白水社)『フランスことわざ歳時記』(共著、社会思想社)。訳書 レチフ『パリの夜』(岩波文庫)『南半球の発見』『アンドログラフ』(啓蒙のユートピア第3巻、監訳、法政大学出版局)『ポルノグラフ』(ユートピア旅行記叢書15、岩波書店)『サラ――最後の恋』(二見書房)サド『恋の罪』(岩波文庫)『ジュスティーヌまたは美徳の不幸』(岩波文庫)。編訳書 『フランス幻想民話集』(社会思想社)『フランス妖精民話集』(社会思想社)。

著者紹介

トゥルニエ,ミシェル[トゥルニエ,ミシェル][Tournier,Michel]
1924年パリに生まれる。ラジオ局、出版社に勤めたのち、『フライデーあるいは太平洋の冥界』(1967、邦訳1982、岩波書店)で作家となる。現代フランスを代表する文学者でありつづける

植田祐次[ウエダユウジ]
1936年旧満州営口に生まれる。早稲田大学大学院博士課程中退。18世紀フランス文学専攻。青山学院大学文学部教授

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