出版社内容情報
英語教師となったルーシーは、報われぬ恋を経て教授との愛を育んでいくが――43年ぶりの邦訳。
内容説明
英語教師として自立したルーシーは、青年医師との報われぬ恋を経て、教授との愛を育んでいくが―43年ぶりの新訳。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
73
軽薄なジネヴラや幸福の象徴みたいなポーリーナのようにいかにも女性的な登場人物に比べて、ルーシーはなんと魅力に欠けていることか。作者は、主人公を孤独な運命に終始する女性として描くことにきめていたという。この話は、シャーロットのブリュッセルでの教師経験と失恋がもとになったものだが、それはとにかく苦いものだったそうだ。苦い経験をもとにした話は、辛く厳しいものになるしかなかったのだろうか。2019/11/01
星落秋風五丈原
31
【ガーディアン必読1000冊】かつて名付け親の家に住んでいたポリーことポーリーナ・メアリ・ホウム・ド・バソンピエールもまたジョンを愛するようになり密かにジョンに思いを寄せていたルーシーは失恋。世界中の大河に例えるほどなのだから、彼女の中でジョンの存在は相当大きかったと見える。しかし本編ではあっさり次のお相手が登場。上巻では「まさかあの人が」と思っていた相手だ。 相手も相手で下巻になるとやけに積極的になりなどとまたもやストーカーめいたことを口にする。ブロンテ姉妹はほとんどストーカーの執着男子が好きなのか。2019/06/30
きりぱい
10
不幸とは言い切れないものの、自活しなければならない幸薄さと二番手にもなれないルーシーに終始もやもや。それがいつの間にか!男って全く、陰で努力するのもいいけど、何も知らされず待つ方の身になってよ!と言いたくなるような流れに。反発するほど惹き合う感情、シャーロットもここまで恋の悩ましさを描けるものかと(何様)。ヒロインらしからぬルーシーに感慨もひとしおながら、ラストに真っ白!解説によると著者の頑なさが表れているようで。つながりは偶然過ぎるし、『ジェーン・エア』の波乱には及ばないけれど、こちらの方が好きかも。2010/08/12
えりねっと
0
図書館で借りて、読了。2021/08/27