鶴見良行著作集〈3〉アジアとの出会い

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  • サイズ A5判/ページ数 427,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784622038139
  • NDC分類 081.6
  • Cコード C1336

出版社内容情報

「アジアは、方法として私を支えるに到っている」。本巻には、1970年代半ばから、新しいアジア学の可能性を模索し始めた著者が精力的に綴った、論考・ルポルタージュ・エッセイを一挙に収める。

ポスト・ベトナム戦争の時代は、そのままポスト・ベ平連の課題を担って始まるべき日々であった。既に「知米派知識人」という狭いカテゴリーを遙かに超えた思想を抱きつつ、彼は精力的なアジアへの旅を重ねていく……

アジアで進行しつつあった近代化=工業化のもたらす歪みを追い、その問題性に鋭く迫る著者の問いは、昨今のグローバリゼーションの波に至る、一連の動きへのラディカルな異議申し立てともなっていよう。鹿野政直氏の緻密な読みに支えられた解説「ベトナム反戦からアジア学へ」とともに、味読していただきたい一冊である。

鶴見良行著作集 全12巻・第11回配本


鶴見良行(つるみ・よしゆき)
1926年、米国カリフォルニア州ロスアンゼルスで生まれる。外交官の父の仕事にともない、ワシントン、東京、ポートランド、ハルビンを転々とする。水戸で高校時代を送る。23歳で「思想の科学」誌の編集に関わり、1965年39歳のとき「ベトナムに平和を! 市民連合」発足に関わる。台湾、香港、ヴェトナム、ヨーロッパを旅行。初めてのアジア行。以降、頻繁にアジアを旅行し、また継続的に著作を発表。85年60歳、周防大島、北海道、神戸、九州でエビ、ナマコの調査。94年、69歳の年にココス島を三度にわたって調査。『ココス島奇譚』執筆中に急逝。

吉川勇一・編集
鹿野政直・解説

内容説明

「アジアは、方法として私を支えるに到っている」アジアと日本の人びとをつなぐ「地図」を描くために、著者はアジアへの旅を重ねていく―真にラディカルな問いがここにある。

目次

1 日本人ばなれの生き方について―エッセイ1971‐75(権力との激突で急進化―フィリピンの学生運動;落ちた歴史の行方 ほか)
2 エアポート売り込み戦争(ノースロップ空港事件;エレクトロニクス戦争 ほか)
3 地図は動く―エッセイ1976‐80(東南アジアとのつきあい方;日本のマンガ・東南アジアのマンガ ほか)
4 本を読む―書評1975‐79(竹内好編『アジア学の展開のために』;吉野源三郎『同時代のことヴェトナム戦争を忘れるな』 ほか)