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死を前にした人間

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  • サイズ A5判/ページ数 588,/高さ 22X17cm
  • 商品コード 9784622034834
  • NDC分類 230.4
  • Cコード C1022

出版社内容情報

中世から現代まで、死と葬礼をめぐる根深い感情の変遷を豊富な資料で解明する <死の心性史>。

内容説明

本書では、ヨーロッパの中世から現代まで約一千年にわたる、死の迎え方、葬礼、遺言、死後のイメージ、追慕などの起源や変遷が、数多くの図像・遺言書・墓碑銘・文学作品によって考察される。『“子供”の誕生』で、日常世界を支配する根深い感情すなわち心性(マンタリテ)の歴史叙述にみごとな成功をおさめた著者による、現代社会と先進文明への思索の結晶である。

目次

第1巻 横臥像の時代(第1部 われらは皆死にゆく(飼いならされた死;聖人の近くに、教会の近くに)
第2部 己れの死(死期。一つの人生の追憶;来世のための保証;横臥像、跪拝像と霊魂像))
第2巻 野性化した死(第3部 遠くて近い死(引き潮;どくろ絵;死体;生きている死者)
第4部 汝の死(大往生の時代;墓地参詣)
第5部 倒立した死(倒立した死))
結論 四つの主題による五つの変奏

著者等紹介

アリエス,フィリップ[アリエス,フィリップ] [Ari`es,Philippe]
1914‐1984。ロワール河畔のブロワで、カトリックで王党派的な家庭に生れる。ソルボンヌで歴史学を学び、アクション・フランセーズで活躍したこともあったが、1941‐42年占領下のパリの王立図書館でマルク・ブロックやリュシアン・フェーヴルの著作や『アナル』誌を読む。家庭的な事情から大学の教職には就かず、熱帯農業にかんする調査機関で働くかたわら歴史研究を行なった。ユニークな歴史研究を発表し、新しい歴史学の旗手として脚光をあびる

成瀬駒男[ナルセコマオ]
1931年横浜市に生れる。1953年東京大学文学部仏文科卒業。修士。國學院大学文学部教授を務める。1995年8月14日逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

てれまこし

6
キリスト教的死生観などと気軽に言うが、人の死生観もまた歴史のなかで変遷していく。それも時代区分とは一致しない速度で。歴史家は文字を操る一部の知的エリートの遺した史料に頼るので、この文字に現われない変化を見逃しがちである。政治史のみならず社会史が必要とされる所以である。民衆はエリートから影響を受けるが、しかし完全に自律性を失うこともない。むしろ、エリートがこの頑固な民衆に妥協を強いられることもある。ところで、民衆の思考にはエリートの思考よりも万国共通の要素が多い。真にグローバルなものはこちらにありそうだ。2018/10/16

keint

5
死者への冒涜を忌避する文化については少々記述が見られただけで、あとは延々と死にまつわる事項(遺言や埋葬、墓地など)について例を挙げながら解説している。図を提示せずに芸術作品に言及したり各地の例をあげているのでフランスを始めとしたヨーロッパの地理や歴史、美術史やキリスト教史の予備知識がないとわかりづらい例がたくさんあった。2019/12/17

ik

3
図説死の文化史、死と歴史とアリエスの死に関する三作セットで読んでみた。その中でも最も密度の濃い一冊。2014/04/12

ありさと

0
フランスをメインに英米なども参考にしつつ人間の死に対する認識、感情の変化を探る。死体や瀕死者の扱いの変化を提示して人間感情が不変のものではなく、時代によって大きく異なることを説明している。2018/10/26

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