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政治と弁証法

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  • サイズ B6判/ページ数 288p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622030973
  • NDC分類 135.5
  • Cコード C1310

出版社内容情報

〈「創造的否定の、破壊‐現実化の、試行ないし試練」であり、「多くの理論的・実践的企てを鼓吹しつづけ、成功にせよ失敗にせよ、あれほど多くの実験を可能にした実 験室」となってきたマルクス主義。20世紀半ば、晩年のメルロ=ポンティが試みたのは、その世界史的経験を「政治哲学の領域において標定する」ことだった。

「哲学は歴史の召使いでもなく、主人でもない。……文字どおり、距離を隔てた働きかけ〔遠隔作用〕であり、両者はそれぞれの差異を土台にして、混合と混淆とを求めている。われわれはこの相互の蚕食作用の上手な利用法を、とりわけ一つの哲学をさらに学ばなければならないのである」。

「人びとがすでに考えつくしたと思い、それも十分に考えつくしたと思っていたすべてのもの――自由と権力、権力に対抗する市民、市民の英雄精神、自由主義的ヒューマニズム、形式的民主主義とこれを廃棄し現実化する実質的民主主義、革命的英雄精神と革命的ヒューマニズム――これらすべてが崩壊しつつある」。

「われわれはおそらく、歴史がもっと先に進む、あの数々の瞬間の一つに居合わせているのである。国内のさまざまな出来事や、対外政治のけたたましい事件によって、われわれの耳はつんざかれている。だが騒音の下に、一つの沈黙が、一つの期待が形づくられていく。なぜそれが、希望でないことがあろうか?」。

本書は「マルクス主義と哲学」「悟性の危機」「『西欧』マルクス主義」「『プラウダ』」「行動としての弁証法」「哲学的回想」を収録。同時代と真摯に向き合った「共存の思想家」面目躍如たる歴史・政治哲学論集である。

コレクション全7巻完結。

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Maurice Merleau-Ponty(モーリス・メルロ=ポンティ)
1908年フランスに生まれる。1926年エコール・ノルマル・シュペリュール入学。在学中サルトル、ボーヴォワール、レヴィ=ストロースらと知り合う。1930年哲学教授資格試験に合格。その前年にフッサールのソルボンヌ講演、1935-39 年には高等研究院におけるコジェーヴのヘーゲル講義を聴講。ルーヴァンのフッサール文庫に赴き、遺稿を閲覧したのは1939年。第2次大戦中は従軍・レジスタンス活動を経験した。1945年、学位論文として同年刊の『知覚の現象学』および『行動の構造』(1942)を提出、博士号を受ける。1946年、サルトルらとともに「レ・タン・モデルヌ」創刊。1948年リヨン大学教授、1949年パリ大学文学部教授を経て、1952年コレージュ・ド・フランス教授に就任。1961年、パリの自宅で執筆中、心臓麻痺のため死去。著書『ヒューマニズムとテロル』(1947)『意味と無意味』(1948)『弁証法の冒険』(1955)『シーニュ』(1960)など。没後『見えるものと見えないもの』(1964)『世界の散文』(1969)、コレージュ・ド・フランス講義録などが刊行されている。

木田元(きだ・げん)編
1928年生まれ。東北大学文学部卒業。中央大学名誉教授。著書『現象学』『メルロ=ポンティの思想』『哲学と反哲学』『ハイデガーの思想』『ハイデガー「存在と時間」の構築』『偶然性と運命』(以上、岩波書店)、『反哲学史』(講談社)、『哲学以外』(みすず書房)、『哲学の余白』『マッハとニーチェ』(以上、新書館)、『最終講義』(作品社)、『詩歌遍歴』(平凡社新書)、訳書 フッサール『ヨーロッパ諸学の危機と超越論的現象学』(共訳、中央公論社)、アドルノ『否定弁証法』(共訳、作品社)ほか。

海老坂武(えびさか・たけし)訳
1934年生まれ。東京大学大学院博士課程修了。仏文学専攻。著書『フランツ・ファノン 人類の知的遺産 78』(講談社)、『戦後思想の模索』『雑種文化のアイデンティティ』(以上、みすず書房)、『ヨーロッパ新空間』(人文書院)、『シングル・ライフ』(中央公論社)、『新・シングルライフ』(集英社新書)ほか。訳書 ニザン『番犬たち』(晶文社)、サルトル『文学とは何か』『家の馬鹿息子』(以上、共訳、人文書院)、ファノン『黒い皮膚・白い仮面』(みすずライブラリー)ほか。

内容説明

20世紀の実験、マルクス主義を問い直す―歴史・政治哲学論集。

目次

マルクス主義と哲学
悟性の危機―ウェーバー
「西欧」マルクス主義―ルカーチ
「プラウダ」―ロシア・マルクス主義
行動としての弁証法―トロツキー
哲学的回想―『シーニュ』序

著者等紹介

メルロ=ポンティ[メルロポンティ][Merleau‐Ponty,Maurice]
1908年フランスに生まれる。1926年エコール・ノルマル・シュペリュール入学、在学中サルトル、ボーヴォワール、レヴィ=ストロースらと知り合う。1930年哲学教授資格試験に合格。その前年にフッサールのソルボンヌ講演を、1935‐39年には高等研究院におけるコジェーヴのヘーゲル講義を聴講。ルーヴァンのフッサール文庫に赴き、遺稿を閲覧したのは1939年。第2次大戦中は従軍・レジスタンス活動を経験した。1945年、学位論文として同年刊の『知覚の現象学』および『行動の構造』(1942)を提出、博士号を受ける。1946年サルトルらとともに「レ・タン・モデルヌ」創刊。1948年リヨン大学教授、1949年パリ大学文学部教授を経て、1952年コレージュ・ド・フランス教授に就任。1961年パリの自宅で執筆中、心臓麻痺のため死去

木田元[キダゲン]
1928年生まれ。東北大学文学部卒業。中央大学名誉教授

海老坂武[エビサカタケシ]
1934年生まれ。東京大学大学院博士課程修了。仏文学専攻
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。