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メルロ=ポンティ・コレクション 〈4〉 間接的言語と沈黙の声 朝比奈誼

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  • サイズ B6判/ページ数 254p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622030942
  • NDC分類 135.5
  • Cコード C1310

出版社内容情報

「絵画がまったく時間の外にあるということはけっしてない。絵画はいつも肉体的なもののうちにあるのだから」。

「画家はその身体を世界に貸すことによって、世界を絵に変える。この化体を理解するためには、働いている現実の身体、つまり空間の一切れであったり機能の束であったりするのではなく、視覚と運動との縒り糸であるような身体を取りもどさなくてはならない」。

ひとりの画家の生涯をたどりながらその稀有な探究の足跡を浮き彫りにした「セザンヌの疑惑」、サルトル『文学とは何か』に対するひとつの回答として執筆され、マルローの絵画論『沈黙の声』批判を通して「スタイル」の概念を磨き上げた表題作、色は「われわれの脳髄と世界が出会う場所」と語ったセザンヌ、「線に夢見させ」たクレーをはじめ、「絵のなかで考える」画家たちに即して近代絵画の声なき思索をとらえた生前最後の論文「眼と精神」──メルロ=ポンティの初期・中期・後期をそれぞれ代表する絵画論3篇に加え、「エロチシズムについて」「クローデルについて」「アインシュタインと理性の危機」を収録。珠玉の芸術論集。

メルロ=ポンティ・コレクション 第5回配本


Maurice Merleau-Ponty(モーリス・メルロ=ポンティ)
1908年フランスに生まれる。1926年エコール・ノルマル・シュペリュール入学。在学中サルトル、ボーヴォワール、レヴィ=ストロースらと知り合う。1930年哲学教授資格試験に合格。その前年にフッサールのソルボンヌ講演、1935-39 年には高等研究院におけるコジェーヴのヘーゲル講義を聴講。ルーヴァンのフッサール文庫に赴き、遺稿を閲覧したのは1939年。第2次大戦中は従軍・レジスタンス活動を経験した。1945年、学位論文として同年刊の『知覚の現象学』および『行動の構造』(1942)を提出、博士号を受ける。1946年、サルトルらとともに「レ・タン・モデルヌ」創刊。1948年リヨン大学教授、1949年パリ大学文学部教授を経て、1952年コレージュ・ド・フランス教授に就任。1961年、パリの自宅で執筆中、心臓麻痺のため死去。著書『ヒューマニズムとテロル』(1947)『意味と無意味』(1948)『弁証法の冒険』(1955)『シーニュ』(1960)など。没後『見えるものと見えないもの』(1964)『世界の散文』(1969)、コレージュ・ド・フランス講義録などが刊行されている。

木田元(きだ・げん)編訳
1928年生まれ。1953年東北大学文学部卒業。中央大学名誉教授。著書『現象学』『メルロ=ポンティの思想』『哲学と反哲学』『ハイデガーの思想』『ハイデガー「存在と時間」の構築』『偶然性と運命』(以上、岩波書店)『反哲学史』(講談社)『哲学以外』(みすず書房)『哲学の余白』(新書館)『最終講義』(作品社)、訳書フッサール『ヨーロッパ諸学の危機と超越論的現象学』(共訳、中央公論社)アドルノ『否定弁証法』(共訳、作品社)ほか。


訳者:
朝比奈誼(あさひな・よしみ)
1933年生まれ。東京大学フランス文学科卒業。立教大学名誉教授。著書『フランス的ということ』(有斐閣)『フランス語和訳の技法』(白水社)『コトバの壁』(大修館書店)『デカルトの道から逸れて』(小沢書店)ほか。

粟津則雄(あわづ・のりお)
1927年生まれ。東京大学文学部フランス文学科卒業。法政大学名誉教授。著書『詩の空間』(思潮社)『小林秀雄論』(中央公論社)『正岡子規』(朝日新聞社)『聖性の絵画』『精神の対位法』(以上、日本文芸社)『音楽との対話』(音楽之友社)『日本美術の光と影』(生活の友社)ほか。

佐々木宗雄(ささき・むねお)
1914年生まれ。京都大学理学部物理学科卒業。理学博士。東京都立大学名誉教授。著書『核融合反応』(日刊工業新聞社)『物理学』(理工学社)『物理のパラドクス』(編著、みすず書房)ほか。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

amanon

1
先に読了した同じシリーズのテキストに比べると読みやすかったとはいえ、やはり大凡理解できたとは言えないというのが、我ながら情けない。特に本書は主に芸術論が収められているので、言及されている芸術作品を知らないと理解し辛いところがあるのは否めないだろう。多少値段が上がってもよいから、巻頭に図版を載せて欲しかった。個人的には「エロチシズムについて」が興味深かったか?解説にもあるように、著者にしては珍しいテーマ。できたら、生前にこのテーマをもっと掘り下げてほしかった。後、「眼と精神」が特に難解だった。2015/04/17

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