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辺境から眺める―アイヌが経験する近代

モーリス=鈴木,テッサ【著】〈Morris‐Suzuki,Tessa〉 大川 正彦【訳】
みすず書房 (2000/07/18 出版)

262,34p / 19cm / B6
ISBN: 9784622030898
NDC分類: 316.811

価格: ¥3,150 (税込)
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詳細

日本とロシアは、アイヌなどの先住民族をどのように国家に組み込んできたのか。
辺境という視座から、国民国家の辿った軌跡と先住民族の経験を追う新しい試み。

序 辺境から眺める
第1章 フロンティアを創造する―日本極北における国境、アイデンティティ、歴史
第2章 歴史のもうひとつの風景
第3章 民族誌学の眼をとおして
第4章 国民、近代、先住民族
第5章 他者性への道―20世紀日本におけるアイヌとアイデンティティ・ポリティクス
第6章 集合的記憶、集合的忘却―先住民族、シティズンシップ、国際共同体
終章 サハリンを回想する

日本とロシア、二つの国家の間で先住民族は何を見、経験したか。歴史観の変更を促す画期的試み。

今年もまた、日本とロシアの首脳のあいだで「北方領土問題」が議論された。しかし「北方領土」とは誰のためのものなのか。北方領土と呼ばれる島々や、かつては樺太という名だった現サハリンの住民は、二つの巨大国家の交渉を、どのように考えるのだろう。本書は、アイヌを中心に、日本とロシアという国家が先住民族を同化・差別化してきた歴史を詳細に追いながら、辺境という視座から、われわれの「いま」と「今後」を考える。

「植民地時代の探検家たちがおこなった旅は、帝都の中心から出発し、外に向かい、〈奥地〉にまでいたるものだった。彼らは、植民地支配をおこなう社会の物理的な武器ばかりでなく、知的な武器をも携えて、一つひとつ道を切り拓き、商人、入植者、伝染病がその後を追った。旅から持ち帰ったのは大量の原材料であった。鉱物のサンプル、民族誌学的〈骨董品〉、地図、未知の人びとの話、これらはやがて植民地支配権力がもつ拡張する知識体系のうちに編入されていった。本書でおこないたいのはこの過程を転倒する作業である。〈奥地〉の心臓部から、外に向かい、国家/国民的およびグローバルな帝都にまでいたり、帝都型思考様式を新たに問い直す方法を持ち帰る、そのような旅路への出発である」

著者はオーストラリア在住の気鋭の日本研究者。現代思想や近現代史・アイヌ問題など、その緻密な考察と開かれた問題提起は、じつに鮮やかである。戦前に樺太に住んでいた人たちとともにサハリンに向かう終章の紀行文もまた、みごとだ。


2005年8月下旬重版出来

著者:
Tessa Morris-Suzuki
1951年イギリス生まれ。現在オーストラリア国立大学教授。専攻は日本経済史、思想史。著書に『日本の経済思想――江戸期から現代まで』,(藤井隆至訳 、岩波書店、1991);Re-Inventing Japan: Time, Space, Nation,(New York, M. E.Sharpe,1998);「グローバルな記憶・ナショナルな記述」(「思想」1998年8月号)などがある。

訳者:
大川正彦〈おおかわ・まさひこ〉
1965年東京生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科博士後期課程単位取得退学、政治理論・政治思想史専攻。現在 東京外国語大学助教授。著書に『正義』〈思考のフロンティア〉(岩波書店、1999)、訳書にマイケル・ウォルツァー『解釈としての社会批判――暮らしに根ざした批判の流儀』(川本隆史との共訳、風行社、1996)がある。

著者紹介

大川正彦[オオカワマサヒコ]
1965年東京生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科博士課程単位取得退学、政治理論・政治思想史専攻。現在、東京外国語大学助教授。著書に『正義』(思考のフロンティア)(岩波書店、1999)、訳書にマイケル・ウォルツァー『解釈としての社会批判―暮らしに根ざした批判の流儀』(川本隆史との共訳、風行社、1996)

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