内容説明
『ひき裂かれた自己』につづく著者の精神医学的な著作『自己と他者』『経験の政治学』の続篇ともいうべき本書は、いわば前著の理論的総決算をなしている。またわずかではあるが実験病棟での患者の数値も示されている。『ひき裂かれた自己』の力点が分裂病者の内面空間におかれているのに対し、以後の著作には社会的領域への比重がつよい。分裂病者と家族の研究は著者のライフワークであって、反精神医学的主張もここに根をもつといえよう。
目次
第1部 エッセイ(家族と「家族」;社会状況への介入;「分裂病」と関連させての家族ならびに社会のコンテクストの研究)
第2部 家族の政治学(家族と無効化;家族のシナリオ;操作;規則とメタ規則;写像)