感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
百千鳥
4
人間考える時は最終的にしあわせになるために考えると思うのですが、この考え方はしあわせになれないタイプの考え方じゃないかしら。と思いました。思いっきり突き詰めればしあわけを求めることになるけれど、ちょっとかじっただけじゃこりゃ不幸になりにいくようなものだわ。2016/04/12
きざはし
2
ジル「あなたが動顚しているなんて、わたし、動顚しちゃうのに、あなたが動顚しないなんて、わたし、動顚しちゃうわ」ジャック「ぼくが動顚していないのに、ぼくが動顚しているなんて、きみが動顚しちゃうのに、ぼくが動顚しないなんて、きみが動顚しちゃうのに、ぼくは動顚しちゃうよ。」終始こんな感じの、簡単にはほどくことのできない思考の結ぼれ。しかし、これは正しい手順をふめばほどけるようなものではないのかもしれない。手品師の作る結び目の様に、そもそもトポロジー的に結ぼれてないのかも知れない。それが絶望でもあり希望でもある。2021/04/20
nananacalling
2
これも大変すてきなのだよ...。do you love me?よりほんの少しだけ、切実な、実際的な、何か苦しさや痛み、訴えを感じた。わたしのものとわたしの関係とわたしとわたしでないことの関係が特に苦しかった。ひとつ一つの条件分岐の際に、この人の頭の中では何が浮かび上がっているのだろうなんて。目まぐるしく考えが来ては過ぎてゆき、それがいつしか同じ場所に辿り着いていることを、悟ることができなかったり、悟って居ながらも抜け出すことが出来ない等。答えは身体の構造の中にあってほしいと願い続ける。2021/03/10
omoochi0kaki
1
「ジルは自身にとって歪んで見える鏡だ。 ジルは彼女自身を歪めないかぎり、彼女自身の目に歪みの直った姿として見えない。」 「たぶん影の中に映った影の中に映った影といったようなものだ」 「言葉というものは、あたかも月を指す指のようなもので、指の示す方向において、みずから月を見いださなくてはならないと同じく、言葉そのものは、真の事実ではない。ただその言葉によって真の事実を悟ることが肝要である」(安谷白雲師)2021/05/10
eschalot
0
再読。今は新装版が出ているようだが、手元にあるのはこの版の６刷で1979年発行のものだった。三原順の「はみだしっ子」でこの本を手に取ったのは自分だけではないはず。もう30年も前になるのかぁ。2011/01/18
