臨床医学の誕生

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ A5判/ページ数 316,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784622022176
  • NDC分類 492.02

出版社内容情報

構造主義学者の独自の眼で捉える18、19世紀の医学史。解剖学をとおして見る人間の生・死・病。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

有沢翔治@文芸同人誌配布中

10
医者が一方的に見る、患者が一方的に見られる関係になったのは医学教育の現場においてである。そして医学教育が確立したのはフランス革命後、五十年までの間だった。このほかにも疾病の分類、公衆衛生による病の集団的な管理などと医学が急速に変化していった時期である。進化だと捉えがちであるが、ミシェル・フーコーは社会の構造が変化しただけだと指摘する。つまり本質的な優劣はなく、そこには差異だけがあるのだとhttp://blog.livedoor.jp/shoji_arisawa/archives/51503756.html2019/02/22

午後

3
18世紀末に始まった医学革命は、臨床医学の誕生によって特徴づけられるが、それは単に方法論的な転換だけでなく、存在論的な転換でもあった。18世紀末に知覚の仕方、記述の仕方が決定的に変化したことを示し、それを可能にした歴史的な条件を構造的に分析する。その鮮やかな手つきや、美しい記述の数々、刺激的な指摘、どれをとっても素晴らしい本だった。生を生によってのみ解釈するのではなく、死を通して眺めることを通じて、病は明るみに出され、生は個別の独自性を獲得する。2021/09/01

メルセ・ひすい

3
15-126 18世紀中葉の医学と、19世紀前半の医学とは全面的な相違がある。「意味されたもの」の、構造論的分析。個人というものは、生命が最初にとる形でもなければ、その最も鋭い形でもない。個が認識の対象となるのは、長い間にわたる空間化の動きのあげくのことである。この動きにとっての決定的な道具は、或る種の言語の使用と、死についての困難な概念化であった。(…)歴史的なものの厚みの中で、歴史自体の諸条件を解読しようと試みる。アリストテレスの古い法則は、個についての科学的陳述を禁じていたが、言語の中に死の概念が…2012/02/13

さらしな

0
卒論

★★★★★

0
18世紀後半から19世紀初頭にかけてのフランスの医学思想を追うことで、その時代に起きた人間観の大きな構造変化を分析する本。医師たちのまなざしは社会的/学問的文脈の中で構築/解体され、そのまなざしのもとで患者や病、死といった対象が様々な関係性をもって構造化される。以上のまなざしのメカニズムのもと、この時代に世界へ有限性を画す「死」が対象化され、独自なる「個」という現代へと接続する認識も見出だされた。んですよねきっと。難しいけど面白かった。アーリ批判のネタとして。2011/09/17

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/444369
  • ご注意事項