物質文明・経済・資本主義 〈2―2〉 - 15―18世紀 交換のはたらき 2 山本淳一

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  • サイズ A5判/ページ数 400,/高さ 24X17cm
  • 商品コード 9784622020547
  • NDC分類 332.3

出版社内容情報

物々交換から高度な経済活動まで、交換のはたらきの大パノラマ。<資本主義> 成立の条件を探究。

内容説明

産業革命以前の世界における〈資本主義〉の住みかは、まずもって商業であった。そのうちでも交換の盛んな場所に〈資本主義〉はもっとも自分に適した場を見出す。世界を股にかける銀行や商社の活動である。フィレンツェの商人はイギリス国王に軍資金を用立て、大陸の工房に必要なイギリスの羊毛を一手に握る。シェノヴァ人はピアチェンツァの大市によって、国際的取引と支払いの多様なオペレーシヨンを集中管理し、手形交換を組織する。ブローデルは彼らの興亡を論じ、また莫大な利益をもたらす遠隔地交易の〈資本主義〉発達に果たす役割を探る。著者はマニュファクチャーや問屋制家内工業など工業部門にも目を配りながら、最後に、社会全体の内において〈資本主義〉を支え推進する力、また〈資本主義〉を押しとどめる障害物について考察する。

目次

第3章 生産あるいは他人の領分における資本主義(資本主義と前産業;輸送と資本主義的企業;どちらかと言えば赤字の決算)
第4章 自らの領分における資本主義(商業社会の頂点で;資本主義の選択と戦略;会社と特許会社;またしても三区分)
第5章 社会あるいは「全体集合」(社会の階層制;進出する国家;文明はつねに否とは言わない;ヨーロッパの外での資本主義)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

roughfractus02

3
大商人が信用取引を行う市場はまだ市場経済であって資本主義ではない、と著者は言う。市場経済は生産と消費が等号で結びつく「交換」が多くを占め、18世紀の貿易センターであるアムステルダムでも「権力の蓄積」に向かう資本主義は市場経済の外にあった、とされる。が、すでに資本の蓄積は大商人から庶民に至るまでダブつくほどであり、遠隔地貿易で投資を管理する銀行が出てくると「交換」は「流通」に変わり、信用取引へと重心が移り始める。市場経済が都市から国家へ、アムステルダムから銀行を持つイングランドへ移る時、資本主義が出現する。2020/06/07

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