先進社会の階級構造

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  • サイズ A5判/ページ数 362,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784622016984
  • NDC分類 361.4

出版社内容情報

『暴走する社会』の著者が1973年に提示した、資本主義の社会分析の書。
初版1977年

2002年7月復刊:本体6000円 A5判 400頁

内容説明

1968年のフランス5月革命や同じ年のチェコ事件など、現代史の巨大な出来事について、現代社会学が、何ら有効な説明をなし得なかったことは、著者にとって「社会学の危機」と感ぜられた。かつて社会学が提出した階級理論は、18世紀以来、政治及び経済現象分析の力強い武器であった。いまやそれは無力化したのであろうか?「脱イデオロギー」論や「テクノクラート」理論の流布は、かつての階級概念を、ヴィクトリア朝の建築物のような、無用にして栄光ある古物にしてしまったのであろうか?著者は否と答える。過大な期待と文献の混乱の現実から脱出するために、著者は一方において、マルクス、ウェーバー以来の遺産をたぐい稀れな透徹した分析力で把握し、鋭利な武器として磨きをかける。他方著者の大地を踏まえた足は、現代の工業文明によって新しい形態をととのえた「先進」社会の、資本主義国と共産主義国とを問わない、その現実から出立する。そして、その両者の交錯から導かれた理論的結実が本書である。

目次

マルクスの階級理論
ウェーバーの批判
その後における若干の理論
マルクスの批判者たち・その批判
マルクス的視点の再評価
階級理論の再考察
資本制発展の問題
権力の制度的媒介と支配の媒介
新中間階級の拡大
資本主義社会の労働者階級
国家社会主義と階級構造化
国家社会主義における階級と党
現代社会の階級
階級社会の将来

著者等紹介

ギデンス,アンソニー[ギデンス,アンソニー][Giddens,Anthony]
1938年に生まれる。ハル大学およびロンドン・スクール・オヴ・エコノミックスに学び、ケンブリッジ大学社会学教授ほか、アメリカ、カナダ等で多くの大学の客員教授を歴任。1997年以来ロンドン・スクール・オヴ・エコノミックス(LSE)学長。社会学古典理論、理論社会学、階級論などに関する多くのすぐれた著書がある

市川統洋[イチカワトウヨウ]
1935年長野県に生まれる。1959年慶応義塾大学経済学部卒業。銀行勤務などの後、カリフォルニア大学(バークレー)大学院社会学科に学ぶ。American Council of Learned Societiesのフェローなどを経て慶応義塾大学法学部助教授。1979年歿。専攻専門職、エクスパティーズの社会学、社会学理論
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