ヨーロッパ文学とラテン中世

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  • サイズ A5判/ページ数 927p/高さ 23cm
  • 商品コード 9784622007166
  • NDC分類 902

出版社内容情報

ヨーロッパを意味統一体として把え、その文学的伝統を文献学的に跡づけた碩学の記念碑的大著。

目次

ヨーロッパ文学
ラテン中世
文学と教育
修辞学
トポスとトポス論
女神「自然」
隠喩法
文学と修辞学
英雄と支配者
理想的景観
詩と哲学
詩と神学
詩神ムーサイ
古典主義
マニリスムス
象徴としての書物
ダンテ
エピローグ

著者等紹介

クルツィウス,E.R.[クルツィウス,E.R.][Curtius,Ernst Robert]
1886‐1956。ドイツの文学・文明批評家にして、ロマン語文学研究の権威

南大路振一[ミナミオオジシンイチ]
1923年京都市に生れる。1951年京都大学文学部卒業、ドイツ文学専攻。現在、大阪市立大学名誉教授

岸本通夫[キシモトミチオ]
1918年福岡県に生れる。1941年東京大学文学部卒業、言語学専攻。1991年歿

中村善也[ナカムラゼンヤ]
1925年福井県に生れる。1949年京都大学文学部卒業。西洋古典文学専攻。1985年歿
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ラウリスタ~

9
本論のみ流し読み。第5章トポス論とそれに関わる第10章理想的景観を重点的に。詩的トポスには自然美が数えられ、極楽、地上の楽園、黄金時代、愛、友情、無常なども含まれる。他に、謙遜、導入、自然への呼びかけ、逆立ちした世界、少年と老人、などのトポスが列挙。テオクリトスの時代のギリシャでは、シチリアは十分エキゾチックで夢幻郷になり得たが、ウェルギリウスの時代のローマでは近過ぎたので、逆にギリシャのアルカディアを理想化する。ロクス・アモエヌスについての定義づけが極めて重要。WW2期にヨーロッパ文学を求める意味。2020/11/08

roughfractus02

7
説得術としての修辞学が文学等他ジャンルに参入したのはなぜか? 著者は膨大な文献学的知によって「トポス」の登場に注目する。「定石、定型表現」と訳されるこの語は「論法の庫」と呼ばれ、中世アーカイブの形成と共に説得を成功させる補助手段として常套句的に使用されたという。著者はこの「庫」の形成が説得を技術のための技術にし、他ジャンルへの拡散を可能にしたと解釈する。原著刊行は1948年、大戦を挟んでドイツからフランスに領土が変わるアルザス生まれの著者は、修辞のための修辞が飛び交う戦時メディアの中でこの大著を書いた。2017/02/19

tieckP(ティークP)

5
余論を読むところまではいかなかったけれど、どうにか本論はなぞった。ヨーロッパ文学において一種のブラックボックスとなっている中世ラテン文学についての驚くべき知識の結晶。二つの作品が似ているなんて指摘は、それがヨーロッパ文学の流れ全体が受け継いだ技法だとすれば、二作品だけの直接的な因果関係としては説明できない、ということを証明している本で、しかしそれは現実的には証明できないだろうと凡人なら思うところを、圧倒的な博学によってねじ伏せている。2014/11/21

ぷほは

4
ようやく読み終えた。いや、「眺めた」と言っていいくらいの理解力だが。意外だったのは、シェーラーやアルフレート・ヴェーバーの議論がかなり参照されていること、ユングの議論が強力な基盤として働いていること。坂部恵『ヨーロッパ精神史入門』で印象的に引用されていたが、まさかここまでの大著とは。。。第一次世界大戦における時代精神の危機においてヨーロッパ全体の「根」を探そうとするとラテン中世――カロリング朝ルネサンス――の時代にいきつく、という著者の立論がどこまで正しいかなど測れはしないが、読んでた方がいい本ではある。2015/11/28

ヨシツネ

1
トポス論についてまとまっているが、索引を充実させてほしい贅沢2019/05/31

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