神谷美恵子著作集 〈1〉 - 生きがいについて

神谷美恵子著作集 〈1〉 - 生きがいについて

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  • サイズ B6判/ページ数 288p
  • 商品コード 9784622006312
  • NDC分類 151.1

出版社内容情報

らい患者たちの果てしない孤独の中から、どうして生きがいを求めていくかを考える愛と勇気の書。

神谷美恵子著作集 全10巻別巻1補巻1(全21冊)

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2004年10月より
新たに『神谷美恵子コレクション』を刊行
第1回配本:『生きがいについて』(解説・柳田邦男)
           (2004年10月4日刊)
以降、『人間をみつめて』(解説・加賀乙彦)
   『こころの旅』
   『遍歴』
   『本、そして人』
同時刊行:『神谷美恵子の世界』
           (2004年10月4日刊)
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「昨年(2001年)の春、ハンセン病裁判で国の控訴断念により、長い間、人間としての尊厳を無視され、隔離され、差別されてきたハンセン病者の無念や怨念がようやく晴らされた。これに関連して、ハンセン病施設の精神科医であり、『生きがいについて』などの著書で人々の心のあり方を問い続けた神谷美恵子が再評価されている。」(宮原安春/2002.4.19 信濃毎日新聞)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

p.ntsk

43
様々な生きがいの形について文学・哲学・思想に渡る幅広い教養と専門の精神医学の見地からの深い考察と著者の決意が語られた名著です。明確な唯一の答えが用意されているわけではなく、自身の心と向き合い対話しながらそれを見つける手助けになる本だと思います。ほぼ半世紀前の著述ですが些かも古さを感じさせません。それどころかITやAIなど科学技術の進歩で自動化が進む今日の世界において人間存在とは何か生きがいとは何かという人類普遍の永遠の命題はますます重要性を帯びてきていると思います。[再読] 2018/10/22

テツ

32
著者が行ったらい病患者の暮らす愛生園での調査とそれを踏まえた経験。生きがいとは何かという問いには、「生とは何か。死とは何か。やがて死んでしまう我々が今こうして存在していることにどんな意味があるのか」という永遠の疑問がつきまとう。常に思考し続けること。生に絶望し自分自身の在り方に絶望しそれでも生きている理由を頭が痺れるまで考え続けること。自分固有の苦しみはきっと自分固有の生きる理由に、自分固有の生きがいにリンクしている。2018/06/08

あこ

26
完成までに7年という月日が流れ、内容も当初の半分量におさめたそう。分厚くても良いから余すところなく目を通したかった。濃密な内容で繰り返し読んだ。読むたびに新たな気付きが得られる。おわりにより本書は「病や苦難にみまわれたひとの心の世界という角度から、生きがいに関係した人間性の事実を少しでも探ろうとしたもの。」良書2021/01/09

たけし

9
この本は「生きがい」についてのものであると同時に「絶望」についてのものでもある。おそらく著書自身が深い絶望を体験した、若しくは体験中のひとなのであろう。そして、その生きがいというものはどんなに心理学などの医学、哲学、宗教、文学等を用いたりしても、シンプルに明快に論理的に語ることの難しいものであることが分かる。対して、絶望に関しては生々しくどぎつく語られる。高度に精神的な言説はなまなかのことでは語れない。しかし、この本はそれを求める人の大きな助けになることは間違いない。2014/09/27

もくたつ(目標達成)

7
純文学ブームに則って?純文学。35年前の作品ですが、内容は色褪せていないと思う。生きがいにはこういう種類があって、生きがいが違う者同士は、他者が他者自身の生きがいを達成しても、自分と比べることはしないなどが書かれていた。生きがいを、脳科学や心理学的にではなく、冷静に患者を観察して書いたもの。純文学は、大衆文学のようにゲラゲラ笑えるものではないけど、噛みしめるほどに味わえるものだと思う。この本はまた読み返したい。2015/07/24

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