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出版社内容情報
文学批評において古典的地位を占める表題作のほか、バルト的批評の核心を開示する評論を集成。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
燃えつきた棒
39
大学生の時、フランス語の教師から『零度のエクリチュール』のことを聞いたのが、バルトのことを耳にした最初ではなかったかと思う。 その後、その本を買い求めはしたものの、長く積読状態にしたままだった。 ずいぶん前に、なんとか読んではみたが、印象は全く残っていない。 今回、本書を読んだのは、ローラン・ビネ『言語の七番目の機能』が、バルトの交通事故死を殺人事件に見立てた話だということで、それを読むにあたって、僕自身のバルトについての理解をいま少し深めておきたかったからだ。2021/10/29
そふぃあ
19
読んだは読んだけどよく分からなかったから自己満でしかない。重要と思われる<作品>と<テクスト>の違いもあんまり分からん。テクストっていうのは読者参加型のものを指すのか?消費され再現されないものは作品? 新書読もう。2018/04/20
ラウリスタ~
15
構造主義って名前は良く聞くし、構造主義者とされている人たちの本も多少は読んできたけど、結局構造主義って何?と聞かれると分からなかった。この本は、バルトのあちこちに載せた文章を繋ぎ合わせたもの、物語と構造分析するとはどういうことかっていう教科書的解説もあり、勉強になる。007やヤコブの相撲の話などを、構造分析の理論に当てはめながら解釈する。そのほか、作者の死とか、文楽の話など、重要なテクストが複数収められている。2013/04/14
きいち
14
この本のバルト先生、何か大ハシャギな感じで好きだ。最初の二篇は神話が破壊できることが嬉しいからか、プロップやトドロフたちから手に入れた物語分析ツールを嬉々としてぶん回すし、あげくに僕がやりたいのはテキスト分析なんだよね、ってそりゃヒドイ(笑)。作者は殺すし、ラストは特に率直で、神話破壊自体がすでに紋切型、なんでみんな気づかないんだ的に怒って今後の記号破壊を予告…。人の自由な思考を妨げる作用に対して、自分は永遠に闘うと宣言し実行している、その純粋さ、その本気度が皆に伝わる人だったのだろうな、と感じた。2013/02/26
ぷるいち
12
ソシュール的な言語学/記号論のアナロジーから、「物語」を構造分析しにかかる本書。もっとも、ちょっと驚いて、そして安心もしたのだけれど、本書の後半には「テキスト分析」という、記号論に終始しない論点に分析は拡大されている。記号論だけで物語を語ることはさすがにしないか、という安心と驚き。ここら辺の思想における「テキスト」の定義はここに書くにはあまりに複雑であるので省略するけれど(本人も定義していない)、作者のいない「テキスト」としてあるものを「読書行為」を通じて獲得することの周辺がこの本の論旨です。2016/10/07