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出版社内容情報
<新音楽> の代表的音楽家とフランクフルト学派の代表的哲学者との知的・芸術的な対話を集成。
内容説明
本書はかつてボリショイ劇場のプリマドンナであった不世出のソプラノ歌手、ガリーナ・ヴィシネフスカヤの波瀾にみちた半生の回想である。これは1人の無名の女性が貧困のなかで、不屈の精神力と卓越した芸術的感性に支えられながら苦難の人生を切り開き、ついにはソ連邦人民芸術家という、歌手として最高の地位にまで昇りつめた記録として興味深い。だがそれにもまして重要な点は、ガリーナが夫君のムスティスラフ・ロストロポーヴィッチの態度に共鳴して純粋にヒューマニズムの立場から反体制作家ソルジェニーツィンを擁護し、「反ソ活動をおこなった」として予告もなくソ連市民権を剥奪されたことであろう。芸術と政治が未分化の状況下で、どこまでも芸術の純粋さを守ったヒロイックな態度は感銘を与えないではいない。フランス優秀音楽書賞。