内容説明
ジェームズ・ワトソンのDNA構造発見の自伝的解説「二重らせん」は科学や科学者をそれまでとは全く異なった観点からスキャンダルじみて描いた。しかし、このワトソンの最も有名な著作の何百万という読者も、彼が科学に関する新しいスタイルや方針の著作を生み出すために、生涯をかけて努力していることには気が付いていない。彼の教科書は生物学教育に革命をもたらした。議論を巻き起こした科学の進歩についての彼の論評はその社会的意義を情熱をもって議論し、批判には冷笑しながら屈しなかった。彼の自伝的著作のおかげで、彼の成功だけではなく失敗について、そして、遺伝子技術による人類の生活向上の可能性に関する彼のたびたび繰り返される論評へ、一般の人々は目を向けることになった。科学者であり歴史家である著者による本書は、ジム・ワトソンの著作業績を網羅的に検証する初めてのものである。ワトソンの著作を検証し、その共著者や出版社にインタビューし、ワトソン個人の著作原資料を調べ、そして、ワトソン自身との議論により、詳細な記述となっている。
目次
序章(執筆人生)
自伝(二重らせん;遺伝子、女達、そしてガモフ)
論評(DNA物語、所長報告、その他のエッセイ;DNA:生命の秘密)
教科書(遺伝子の分子生物学;組換えDNA;細胞の分子生物学)
著者等紹介
フリードバーグ,エロル・C.[フリードバーグ,エロルC.][Friedberg,Errol C.]
医師。アメリカ・ダラスのテキサス大学サウスウエスタン医学センターの病理学のSenator Betty & Andy Andujar名誉部長。ロイヤル病理学カレッジ学会員、アメリカ実験病理学会Rous Whipple賞受賞
丸山敬[マルヤマケイ]
1981年東京大学医学部医学科卒業。1985年東京大学大学院医学系研究科修了(医学博士)。トロント大学ベスト研究所、東京都精神医学総合研究所、生理学研究所などを経て、2000年から埼玉医科大学薬理学教室教授(専門は薬理学、医学教育学)
石崎泰樹[イシザキヤスキ]
1981年東京大学医学部医学科卒業。1985年東京大学大学院医学系研究科修了(医学博士)。生理学研究所、東京医科歯科大学、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ、神戸大学を経て、2004年から群馬大学大学院医学系研究科教授(専門は分子細胞生物学、神経生物学、生化学)
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